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地域に根差した精神科病院として、外来・入院・在宅医療で認知症の人を支える
<大阪府豊中市 医療法人豊済会 小曽根病院>

院長 西元善幸先生院長 西元善幸先生

約40万人が住む中核市である大阪府豊中市の南部に位置する小曽根病院は、1956年に精神科、神経科の病院として開設されました。病床数は557床で、精神障害全般の診療を実施しており、高齢化に伴う地域のニーズに合わせて認知症治療も積極的に行っています。

BPSDを緩和して3ヵ月での退院を目指す

精神科医の西元善幸先生が院長を務める小曽根病院は、精神科病院として60年を超える歴史と実績を有しています。2006年には耐震設計の7階建ての新館を竣工し、療養環境の整備に努めています。また同院はデイケアやナイトケア、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、介護支援センターなども併設しており、医療と福祉の両面から地域に貢献しています。

同院では最近3ヵ月の外来で136名、病棟で89名(全体の約25%)の認知症症状のある人を診療しています。同院で統合失調症や気分障害などの治療を受けていた患者さんが高齢になり、認知症を発症することもありますが、認知症で受診する人のほとんどが近隣の医療機関や介護施設からの紹介だと西元先生は話します。

「精神科病院という特性から、せん妄などのBPSD(周辺症状)が強くて家庭や施設で対応しきれずに紹介されてくる方が多いですね。当院は地域の“最後のとりで”のような役割を担っていると思います」(西元先生)。

開放感いっぱいの屋上開放感いっぱいの屋上

認知症の人の精神科病院での長期入院が問題となる中、同院では「住み慣れた場所で生活するのが一番」という西元先生の考えのもと、薬物療法や看護の力でBPSDを緩和させ、3ヵ月以内に退院できるよう治療を進めています。西元先生は「認知症の方が感情面の安定を得られるように看護することで、BPSDはかなり改善します。薬剤よりも、むしろ看護の力に期するところが大きいですね」と話し、院内研修を充実させ、看護師を中心としたスタッフのスキルアップに努めています。

充実した院内外の研修で、看護のスキルアップに取り組む

看護師 大石英之さん看護師 大石英之さん

西元先生の提案で始まった院内の症例研究発表会は今年で11回目を迎えます。病棟看護師の大石英之さんは「患者さんのためになることや、業務改善につながる事例をチームでまとめて発表しており、とても勉強になります」と話します。大石さんも看護研究として、病棟で身体拘束の減少に取り組んだ成果を発表しました。

「夜間せん妄や強い不安感がある方はベッドから転落するリスクがあり、骨折予防のためにご家族の許可を得て身体拘束を行うこともあります。しかし、身体拘束は認知症の悪化や身体機能の低下にもつながることから、拘束なしで転落のリスクを回避するにはどうすればいいか、スタッフ全員で研究に取り組みました」(大石さん)。

ベッドを低くする、ベッドの下にマットを敷くなどさまざまなアイデアを検討した結果、一部の大部屋のベッドを試験的に撤去して床敷きのマットを導入。拘束なしで自由に動くことができ、ストレスが軽減されたためか、せん妄などの症状が落ち着いて退院できた方もいます。大石さんは「この経験を機に、身体拘束を減らすための工夫や取り組みに力を入れるようになりました」と話します。

そのほか、精神科医療の現場で発生する患者さんの興奮状態や暴力などに対処できる技能を習得するための“包括的暴力防止プログラム(CVPPP)”をはじめとする院外研修への積極的な参加と、参加者による研修報告会も行っています。

外来や訪問診療・訪問看護を通して、困りごとや生活ぶりを把握

看護師 國森ゆかりさん看護師 國森ゆかりさん

外来と訪問看護を担当する看護師の國森ゆかりさんは、「外来に来られる認知症の方も年々増えています」と話します。同院の外来では、診察前にスタッフが体調や症状を確認して医師に伝えていますが、國森さんは、普段の様子のヒアリングや、服薬・生活指導なども積極的に行うようにしているといいます。

「時間が許す限り待合室に出て、ご本人はもちろん、ご家族からも介護の悩みや不安をお聞きしたり、対応の仕方をアドバイスしたりしています。ご本人、ご家族ともに高齢であることが多いので、細かいところまで丁寧に説明するように心がけています。『ありがとう』と言っていただくことも度々あり、できる限りのことはしたいと思いますね」(國森さん)。

同院では訪問診療・訪問看護にも力を入れており、訪問診療は月に50人ほど、訪問看護は月に3~4回利用する人も含めて、のべ1300人ほどに行っています。訪問看護の際、國森さんは健康状態や病状を確認するだけでなく、部屋の様子や普段の食事内容などもチェックして、気になることがあれば医師に報告しています。西元先生も「ご自宅での生活ぶりを見ることで、外来の短い時間ではわからないことも把握でき、診療にも役立ちます」と、その意義を語ります。

「関節炎などを抱えていて、病院に行きたくても行けない方もおられますから、訪問診療・訪問看護への需要は大きいですね。医師や看護師が訪ねてくることが生活の張りになっている方もいて、再入院率の低下や、在宅生活をできるだけ長く続けることにつながっていると思います」(西元先生)。

地域住民が参加できるイベントで、地域に開かれた病院を目指す

事務長 松原進さん事務長 松原進さん

同法人に勤務して31年という事務長の松原進さんは、事務的な業務のほか、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士、作業療法士、検査技師、精神保健福祉士などの多職種のスタッフが、個々の能力を十分に発揮できるよう、職場の環境づくりに力を入れています。また、同法人の理念の一つである“地域に開かれた良質な医療と福祉の提供”を目指して、文化祭や運動会など、地域住民が参加できるイベントの運営も担当しています。

「文化祭では、作業療法の一環として患者さんが創作された手芸品や工芸品、書道や絵画などを展示しています。繊細な作品も多く、展示を見たご家族が、ご本人にまだまだできることがあると気づいて、驚くと同時に喜ばれることもあります」(松原さん)。

同院では医療福祉相談室や介護支援センターも開設しており、松原さんは、「入院していた方々が住み慣れた環境に戻って、安心して暮らせるよう認知症の人・ご家族をサポートしています。訪問診療・訪問看護をより充実させて、これからも“地域の方々から選んでいただける病院”であり続けることが目標です」と語ります。

連携を強化しつつ、それぞれの施設がベストを尽くす

高齢化が進み、認知症の人の増加が見込まれる中、同院が地域で担う役割もますます大きくなることが予想されます。今後の課題と展望について、大石さんは「これからはMCI(軽度認知障害)の方を対象とした認知症予防プログラムの導入も検討していく必要があると思います。また、施設側の要望に合わせた看護サマリーを作成し、退院後のケアにも活用して、再入院を防ぐような連携ができるといいですね」と語ります。國森さんも「今後は早期のリハビリテーションを取り入れる必要があると思っています。退院して外来に通われる方も増えているので、病棟と外来の連携は今後とも必要ですね」と、早めの対策と退院後のケアの重要性を語ります。

西元先生とスタッフの皆さん西元先生とスタッフの皆さん

豊中市には、市内の国公立病院や私立病院で組織する豊中市病院連絡協議会があり、地域の医療機関が診療科を超えて互いに協力し合い、職種ごとのチームを組んで情報交換しながら連携する体制が整っています。西元先生はこの連携をさらに強化して、認知症の人とご家族が地域で安心して生活できる環境づくりを進めていきたいと考えています。

「認知症の早期発見・早期治療には、かかりつけ医の先生方の協力が不可欠です。地域の医療機関を一つの総合病院とみなして、一般のクリニックや病院と、認知症の専門的な治療を行う医療機関が緊密に連携を取りながら、それぞれの持ち場でベストを尽くしていくことが大切だと思います」(西元先生)。

 

取材日:2017年9月11日
医療法人豊済会 小曽根病院の外観

医療法人豊済会 小曽根病院

〒561-0814
大阪府豊中市豊南町東2-6-4
TEL:06-6332-0135

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