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法人の垣根を越え、地域の多職種が認知症の方を支える
<宮崎県延岡市 医療法人社団 康晏堂 石内医院>

石内医院 院長 石内裕人先生 石内医院 院長
石内裕人先生

石内医院は、延岡市の東海地区と呼ばれる地域に2001年に開設されました。東海地区は、北川の両岸に位置し、同院のある川島町など約20町を含んだ地域です。同院は地域密着型の医院として在宅医療に注力し、認知症診療では法人の垣根を越えて東海地区のさまざまな組織と連携しながら対応にあたっています。

内科医として幅広い疾患を診ながら、地域の認知症診療に注力

石内医院の院長である石内裕人先生は、泌尿器科の専門医資格を取得したのち、再度研修医を務めて内科や循環器科、皮膚科などを学び直し、同院を開業しました。

「生活習慣病と認知症を併発している方は多いですし、高齢の方が病気ごとに違う医療機関にかかるのは大変ですから、幅広い疾患を診られる医師を目指しました」(石内先生)。

石碑のお写真 法人の理念が刻れた石碑

石内先生は、開業して3年目に同院が台風被害にあった際に、地域住民の温かさに触れたことから、地域に密着した医療を提供すると決意し、外来診療に加えて在宅医療にも取り組むようになりました。認知症医療に注力するきっかけとなったのは、糖尿病がよくならない独居の患者さんを往診したところ、認知症が進行して服薬管理ができていないとわかったことでした。

「外来では受け答えなどにも問題はないと感じ、認知症の兆候に気付けませんでした。これにショックを受け、かかりつけの内科医は認知症も診ることができなければと思い、勉強して知識を身につけました」(石内先生)。

時を同じくして、市の要請に応えて認知症対応型グループホーム「東海の里」を開設したことで、認知症の人に関わる機会も増えました。現在は名古屋フォレストクリニックの河野和彦先生が提唱するコウノメソッドを取り入れ、認知症診療にあたっています。

石内先生は認知症の疑いがあるときには、ご家族からじっくりとお話を聞いて診断に生かします。内科でどこまで相談していいのか、どこまで話していいのかと迷って言い出せないご家族も多いので、ご本人の診察後に改めてご家族だけ診察室に入ってもらい、詳しい情報を得るようにしています。

栄養指導からも認知症をすくい上げる

宮崎県栄養士会県北栄養ケアステーション 管理栄養士 上杉奈穂さん 宮崎県栄養士会県北栄養ケアステーション
管理栄養士 上杉奈穂さん

同院では、月に1回、外来で管理栄養士による栄養指導を行っています。栄養指導は、宮崎県栄養士会県北栄養ケアステーションでフリーランスの管理栄養士として活動する上杉奈穂さんが担当。石内先生の診察後に30分から1時間程度かけて指導しています。

かかりつけ医のもとで在宅療養をしている方は、入院中の方に比べて栄養管理が難しく、生活習慣病が悪化してしまうこともあります。上杉さんは、特に認知症を併発している方への栄養指導では、ご家族にも同席してもらうなどの工夫をしながら、丁寧なアドバイスを行っています。また、上杉さんは、管理栄養士ならではの視点で認知症の兆候に気付き、石内先生に伝えることもあります。

「栄養指導は時間をかけて一対一で行い、生活習慣についても聞いていきます。昨日何を召し上がったのかを尋ねても答えられない方や、甘いものしか食べていないなど、食生活に偏りがみられる方は認知症の可能性もあるので、石内先生に報告しています」(上杉さん)。

法人を越えた多職種が参加する会議で情報を共有し、認知症の人を支える

延岡市東海地域包括支援センター 主任介護支援専門員(ケアマネジャー) 中村健次郎さん 延岡市東海地域包括支援センター
主任介護支援専門員(ケアマネジャー)
中村健次郎さん

延岡市東海地域包括支援センター 生活支援コーディネーター・認知症地域支援推進員 平田久美代さん
延岡市東海地域包括支援センター
生活支援コーディネーター・認知症
地域支援推進員 平田久美代さん

だんだん居宅介護支援事業所
主任介護支援専門員(ケアマネジャー)・管理者 長倉聖子さん だんだん居宅介護支援事業所
主任介護支援専門員(ケアマネジャー)・
管理者 長倉聖子さん

同院のある東海地区では、同院や他法人の多職種が参加して認知症に関する情報を共有する会議が月に1回開かれています。この会議は、東海地区にも今後高齢者や認知症の人が増えることに危機感を抱いた石内先生が提案し、開催に至ったもので、スタートから丸3年がたとうとしています。

参加メンバーは、石内先生、上杉さん、「東海の里」の副管理者である米森裕子さん、延岡市東海地域包括支援センターのケアマネジャーである中村健次郎さんと生活支援コーディネーターの平田久美代さん、「だんだん居宅介護支援事業所」の長倉聖子さん、近隣薬局の薬剤師などの多職種で、組織の垣根を越えているのが大きな特徴です。

「例えばケアマネジャーからは、デイサービスやデイケアでのご本人の情報をもらえるので、外来だけではみえてこない認知症の進行状況が把握でき、治療に反映させることができます」(石内先生)。

会議に参加するメンバーが、会議以外の日に石内先生に相談、質問、提供したい情報などがあるときはFAXで連絡します。中村さんは、「ケアマネジャーは相談したいことも多く、FAXで送っておけば、石内先生の時間があるときに返事がいただけるので助かっています」と話します。

よりよい治療と介護を目指し、多職種が専門に基づいたアドバイスをし合う

多職種が集まる会議の様子 多職種が集まる会議の様子

この会議は、職種や所属にとらわれずに情報を共有し、専門に応じてアドバイスをし合う有意義な場ともなっています。上杉さんは、「管理栄養士がすべての認知症の方に指導できるわけではないので、ケアマネジャーにも栄養管理の視点を持ってもらうことが大切」と話し、会議では、生活リズムの乱れや食事内容の偏りなどをつかむための質問のポイントを具体的にケアマネジャーに伝えています。それによって、ケアマネジャーがご本人やご家族から必要な情報を引き出し、問題があれば会議で共有して、他の専門職からアドバイスを受けられるようにしています。また、薬剤師がご本人の様子の変化に気が付いて、認知症ではないかとの情報を石内先生に届けることもあります。

「多職種でチームを組み地区内にさまざまな網を張って、認知症の方に必要な治療や介護につなげています」(石内先生)。

集まって体操する場を設け、地域で見守り合う体制を構築

会議の発足にも関わった中村さんは、普段、延岡市東海地域包括支援センターで認知症の人などの相談窓口を担当しています。認知症であっても病院を受診していない人や、介護保険の申請を行っていない人もいるため、何度も自宅に足を運んだり、ご家族とも話し合いの機会を持ったりして、医療や介護サービスにつなげています。

「介護保険申請に必要な意見書も石内先生にお願いしています。石内先生が認知症についてとても勉強されているのがありがたいですね」(中村さん)。

中村さんと同じ地域包括支援センターに所属する生活支援コーディネーター兼認知症地域支援推進員の平田さんは、認知症の人が住み慣れた地域で生活し続けられるよう、見守りの場づくりを進めています。具体的には、東海地区内の約20ヵ所の会場で定期的に近所の人に集まってもらい、筋力を鍛えるための「いきいき100歳体操」を行っています。閉じこもりがちな人が外に出るきっかけをつくるとともに、不参加の人がいればその理由を共有し、連絡がなければ帰りに様子を見に立ち寄るなど、参加者同士で見守り合える機会となっています。

「現代は隣近所との関わりが薄くなっていますが、近所の方の見守りがあれば、自宅で生活できる認知症の方もおられます。体操をきっかけに一つの場に集まり、コミュニケーションをとることで、近所の方に関心を持ってもらえればと思います」(平田さん)。

いずれは東海地区の全域で体操を行うことを目指して、平田さんは地域の民生委員や、高齢者サロン、老人クラブなどの協力が得られるよう働きかけています。

遠方のご家族とも連絡を取りながら独居の人を支える

会議のメンバーであり、「だんだん居宅介護支援事業所」の管理者でもあるケアマネジャーの長倉さんも東海地区の認知症の人を支える一翼を担っています。

延岡市では独居の高齢者が増えており、ケアマネジャーが遠方に住むご家族とメールや電話でやり取りをしながら、数年にわたって独り暮らしの方をサポートすることもあります。

「要介護度が上がり、介護施設に入所された認知症の方がおられたのですが、入所の前にご家族が遠方から帰省され、『担当していただいた5年の間、何事もなく過ごすことができました』と涙を流してくださいました。ご本人とご家族に『ありがとう』と言っていただけるような支援ができるのがケアマネジャーという仕事の魅力だと思います」(長倉さん)。

グループホームで最期までその人らしい生活を

グループホーム「東海の里」
副管理者 米森裕子さん グループホーム「東海の里」
副管理者 米森裕子さん

石内医院がグループホーム「東海の里」を開設したのは2008年のことです。同ホームの副管理者である米森さんは、「グループホームは自宅の延長であるとともに終の棲家でもあり、入所から看取りまで関わっています」と話します。米森さんたちスタッフが大切にしているのは、認知症の人の尊厳を守り、最期までその人らしく生活できるよう配慮することです。

「記憶障害のある方に『さっきも聞きましたよ』という言葉は禁句です。何度同じことを話されても、初めて聞くときと同じ態度で受け答えするなど、入所者さんの尊厳を守り、なおかつ楽しく過ごしていただけるよう心がけています」(米森さん)。

米森さんは、同ホームの強みとして、医療面での石内先生のサポートを挙げます。

「常に石内先生に相談や報告ができるのがとても心強く、スタッフが安心して認知症の方に関わることができます」(米森さん)。

開設から約10年、ずっと働き続けているスタッフもおり、医療面のサポートがある安心感が働きやすさにもつながっています。

さらに同ホームは、別法人が運営する近くの小規模多機能型居宅介護施設とも、組織の垣根を越えて連携し、一緒に「いきいき100歳体操」 を行ったり、合同で避難訓練を行ったりしています。石内先生はその理由について、「法人を問わず皆で協力したほうが、お互いに助かるからです」と語ります。こうした助け合いの輪が、東海地区の認知症の人とご家族をこれからも支えていきます。

石内先生と会議に参加するメンバーの皆さん 石内先生と会議に参加するメンバーの皆さん

 

取材日:2018年2月22日

 石内医院の外観

医療法人社団 康晏堂
石内医院

〒882-0017
宮崎県延岡市川島町1644番地1
TEL:0982-30-1885

東海の風の外観

医療法人社団 康晏堂
居宅介護支援事業所「東海の風」

〒882-0017
宮崎県延岡市川島町1644番地1
TEL:0982-30-1232

医療法人社団 康晏堂
グループホーム「東海の里」

〒882-0015
宮崎県延岡市水尻町225番地1
TEL:0982-30-1833

 

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