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医療と介護の連携体制を土台に、初期からの支援実現へ
< 京都府京都市 西京区認知症地域ケア協議会/社会福祉法人京都社会事業財団 京都桂病院 >


京都桂病院 副院長・精神科 部長 岸信之先生/塚本医院 院長 塚本忠司先生
京都桂病院 副院長・精神科 部長 岸信之先生/塚本医院 院長 塚本忠司先生

西京区認知症地域ケア協議会は、医療と福祉が連携して認知症の人を支援するために、2009年に西京医師会の声がけで設置されました。多職種が定期的な勉強会や研修会で “顔の見える関係”を作るとともに、かかりつけ医と病院が協力し合う認知症医療体制を構築しています。2017年には、京都桂病院に初期集中支援チームの事務局が置かれ、同協議会によって築かれた連携を土台に、初期段階からのサポートを行っています。

医師会に認知症地域ケア協議会を設置、多職種の連携に着手

京都市西京区は、市内では高齢化率がやや低い地域ではあるものの、着実に高齢化が進行、それに伴い認知症ケアの重要性が高まっていました。西京区認知症地域ケア協議会設置の中心となった塚本医院 院長の塚本忠司先生は、西京医師会内で介護保険の担当であったことから「医療をはじめ行政や介護、地域住民まで巻き込んで認知症ケアに取り組む体制が必要だと感じていました」と当時について語ります。まずは2007年に同協議会の前身である西京区認知症ケア懇話会を立ち上げ、参加する関係者が多かったこともあって、ケアシステム充実のため、2010年に同協議会の設立に至りました。

同協議会では、立ち上げ当初から、研修会や医療従事者や介護従事者に対する勉強会、事例検討会を開催し、一堂に会して認知症の医療とケアについて学ぶことで、いわゆる“顔の見える関係”が作られると同時に、医療従事者や介護従事者がそれぞれの役割を認識するようになりました。

かかりつけ医とサポート医、病院の連携体制を構築

同協議会は“もの忘れ相談医”制度を創設し、認知症医療に取り組むかかりつけ医をリスト化し、かかりつけ医がいない場合やかかりつけ医が認知症の診療を行わない場合の相談先として公表しました。診断の必要性やBPSD(周辺症状)があれば、二次診断協力医療機関と周辺症状相談医療機関が対応し、さらに入院が必要なときには、入院受け入れ病院が対応するという体制を整えました。

西京区にある京都桂病院は二次診断協力医療機関と周辺症状相談医療機関のひとつです。同院の副院長であり精神科部長である岸信之先生が認知症医療に取り組み始めたのは、2006年に着任してからのことです。

「私は長年、精神疾患の方の地域医療をライフワークとしてきました。地域で求められている医療を提供するのが地域医療です。この地には認知症医療というニーズがありましたので、ニーズに応えなくてはと思いました」(岸先生)。

折しも協議会設立に向けて参加者を募っている時期であり、準備に奮闘する塚本先生は、基幹病院の協力が必要であると感じていました。塚本先生の要望に岸先生が応える形で協議会の活動に参加、認知症医療にますます力を入れることとなりました。岸先生は同区で初の認知症サポート医となり、かかりつけ医やもの忘れ相談医、高齢サポート(地域包括支援センター)などからの紹介に対応して診断とBPSDの治療を行っています。

ほかの疾患がないか慎重に確認して診断

紹介された人が同院を受診したら、問診ののちに長谷川式認知症簡易評価スケールやMMSE(認知機能検査)、血液検査を行います。後日に画像検査も行って、診断をつけていきます。

京都桂病院 精神科 副部長 内田伸子先生京都桂病院 精神科 副部長 内田伸子先生

岸先生と同じ精神科で認知症医療に取り組む内田伸子先生は、以前に勤務していた精神科病院で認知症疾患治療病棟の立ち上げに関わったこともあり、豊富な経験を生かして診察を行っています。内田先生は、「紹介されてくる方は高齢なので、紹介状を書いた先生以外に複数の診療科で治療をしていることが多く、診察の際は、既往歴やほかの疾患を持っていないかを慎重に確認します」といいます。認知機能低下の原因となっている疾患を見つけたり、既往歴によって処方薬を選択し、適切な医療につなげるためです。

岸先生も「認知症ではないのに、かかりつけ医以外の診療科の処方薬で認知症のような症状が出ている場合もあり、誤診を防ぐためにも情報の収集は非常に重要です」と続けます。

診断後は、薬剤の調整を行ってから、かかりつけ医やもの忘れ相談医に逆紹介します。身近な存在であるかかりつけ医がしっかり経過観察し、症状の進行など、認知症サポート医の対応が必要であれば、再び紹介する仕組みになっています。MCI(軽度認知障害)であれば半年後の再受診を促します。

初期集中支援チームを設置、地域に出向いて初期から支援

同病院では、市から委託を受け2017年7月に認知症初期集中支援チームの事務局を設置し、認知症の疑いがありながら医療や介護に結びついていない人を訪問し、早期診断・早期対応に向けた支援を行っています。

岸先生は、「認知症地域ケア協議会の活動でできなかったのが、医療を拒否する方に手を伸ばすことでした」といいます。認知症が進行し、在宅での生活が難しくなってから受診する人も少なくありませんでした。

「認知症初期集中支援チームができ、医療を拒まれる方への介入ができるようになりました。適切な医療とケアを提供できるのは、協議会による連携体制があるためです。協議会の活動が土台となって、そのうえに認知症初期集中支援チームがあることで初期集中支援事業が成り立っています」(岸先生)。

京都桂病院 看護師 堂園けい子さん京都桂病院 看護師 堂園けい子さん

京都市では、認知症初期集中支援チームの事務局は医療機関に置かれ、チームメンバーは医療機関の医師や専任スタッフのほか、介護の専門職として高齢サポート(地域包括支援センター)の職員が加わって構成されています。認知症初期集中支援チーム発足から1年余り専任スタッフを務めた看護師の堂園けい子さんは、「チーム発足にあたりさまざまな研修会などに足を運びましたが、医療機関が事務局というチームは少なく、地域包括支援センターとどう協働していくか手探りの状態でした」と当時を振り返ります。

「高齢サポート(地域包括支援センター)も多くの業務を抱えていますので、事務局が分析を行い目標を設定し検討課題を挙げてから包括と相談をしたり検討会を重ねたりしながら連携を強めて、事業に取り組んできました」(堂園さん)。

医療職と介護職が訪問し、チームで情報を共有して支援へ

認知症初期集中支援チームでは対象者を把握し、訪問が必要だと判断すれば、事務局の専任スタッフと高齢サポート(地域包括支援センター)の職員が一緒に訪問し、アセスメントを行います。

京都桂病院 看護師 松本美弥子さん京都桂病院 看護師 松本美弥子さん

訪問後はチーム員会議で情報を共有し、岸先生や内田先生の受診・診断を経て治療を開始し、必要に応じて介護サービスの利用につなげています。チーム発足当初からのメンバーであり、現在専任スタッフを務める看護師の松本美弥子さんが、最初に担当したのはひとり暮らしをしている80歳代の女性でした。

「チームで介入したことで、離れて住むご家族の協力も得られ、ケア方針を決めました。金銭面の不安は後見人制度を利用して解決しました。デイサービスを利用し、食事や入浴など身の回りの世話を受けられて、施設に入所しなくても安心して自宅で暮らし続けられました」(松本さん)。

初期からの介入で、安心して住み慣れた地域で生活を

岸先生は、認知症初期集中支援チームに関わったことで、初期の人が何に困り、どのようにサポートすればいいのか、初期から医療と介護が介入することでどういう経過を辿るのかを把握してきました。早期から介入すれば、状況に応じた医療と介護サービスが提供できるので、認知症になっても住み慣れた地域で生活できると確信しています。

「体と同じように認知機能も少しずつ衰えるので、それに合わせた治療とサポートをすればいいのです。私自身が認知症になっても、初期から進行に応じて関わってもらえれば安心して生活できると思っています。早期介入で地域で暮らし続けられると知ってもらえれば、医療や介護を拒否する方も減るのではないでしょうか」(岸先生)。

塚本先生も啓発活動の重要性を強調します。区民公開講座を開催しても、認知症をテーマにすると参加者の中心は60~80歳代です。

「若い世代の方にも認知症は特別な病気ではないと知っていただかないと、認知症の方が暮らしやすい地域は作れません。今後は、啓発活動の中身を工夫していきたいですね」(塚本先生)。

医療と介護の連携を実現し、さらに早期発見・介入の推進へ。同協議会の活動は、認知症の人が安心して暮らし続けられる地域づくりへとつながっています。

 

取材日:2018年10月18日

西京区認知症地域ケア協議会

〒615-8211
京都府京都市西京区上桂前川町116番地
インペリアル上桂202 西京医師会事務所内
TEL:075-393-5733

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京都桂病院の外観

社会福祉法人京都社会事業財団
京都桂病院

〒615-8256
京都府京都市西京区山田平尾町17番
TEL:075-391-5811

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