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地域のかかりつけ医として、 認知症の人とご家族を笑顔にする診療を
< 青森県青森市 医療法人ルボアヴェール 中野脳神経外科・総合内科
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院長 中野高広先生
院長 中野高広先生

新青森駅から徒歩4分の場所にある中野脳神経外科・総合内科クリニックは、脳神経外科、総合内科を標榜して幅広い疾患に対応しています。認知症の検査では最新のMRIやタッチパネル式の認知機能テストを導入するなど、早期発見・早期治療に力を入れています。また、クリニックでは珍しい医療コンシェルジュが在籍し、医師や看護師による医療的なケアだけでなく、スタッフのホスピタリティあふれる対応が認知症の人やご家族からの評判を得ています。

医師になった頃の“無力感”から研鑽を積み、認知症専門医に

副院長 中野朝子先生副院長 中野朝子先生

青森の地に深く根ざした医療を末長く実践していきたい――そんな思いを胸に、中野高広先生(以下、高広先生)が中野脳神経外科クリニックを開業したのは2014年のことです。2017年からは内科医の中野朝子先生(以下、朝子先生)が診療に加わり、名称を中野脳神経外科・総合内科クリニックと変更。以来、脳神経外科と総合内科を二本の柱として幅広い疾患に対応し、地域住民の健康をサポートしています。

高広先生は弘前大学を卒業後、脳神経外科医として大学病院や県内の総合病院、脳神経外科病院で経験を積みました。今では日本認知症学会専門医・指導医のほか、認知症サポート医の資格も有するエキスパートですが、医師としてのキャリアをスタートした1990年代は認知症の研究がまだ進んでおらず、「当時、認知症のほとんどが脳血管性であり、アルツハイマー型認知症は特殊な病気だという認識が一般的でした」と当時を振り返ります。

「自分の担当する患者さんにも認知症だと思われる方がおられましたができることは少なく、無力感を覚えることもありました。医師として何もできない自分の力量不足を痛感し、いろいろな機会をとらえて自主的に勉強を重ねていきました」(高広先生)。

早期診断を“早期絶望”にしないために

同院には青森市内だけでなく、津軽半島や下北半島などの遠方からも患者さんが訪れており、そのうち認知症の人は1割程度、MCI(軽度認知障害)も含めると2割程度だといいます。

受診のきっかけは近隣の医療機関からの紹介や、もの忘れを心配したご家族に連れて来られる方などさまざまですが、比較的早い段階で来院する人が多いことから、同院ではMCIも精度高く診断できるとされるタッチパネル式の認知機能チェックシステムを導入し、認知症の兆候を見逃さないようにしています。さらにMMSE(認知機能検査)のほか、院内に設置しているMRIでの画像検査の結果を踏まえて診断します。また、MRIで異常がなくてもMCIが疑われる場合には、近隣の総合病院に依頼して、脳血流検査を追加しています。

高広先生は「認知症の進行予防には早期発見・早期治療が非常に重要ですが、早期診断が“早期絶望”になってはいけません」と語り、告知の際は慎重に言葉を選び、ご本人やご家族が希望を持ち続けられる対応を心がけています。

「中には『がんの告知よりも認知症だといわれるほうがショックだ』という方もおられます。ですから、まずは治療法があることを伝えて安心していただき、『この先もずっとお付き合いしていきますよ』と言葉をかけて、ご本人・ご家族に寄り添う姿勢を示すようにしています」(高広先生)。

診断後は投薬治療を行って定期的に通院してもらい、MMSEなどで経時的な変化を確認して、必要があれば処方薬の変更などを行います。またご家族には、ご本人がもし間違ったことを言っても否定しないよう対応の仕方をアドバイスし、BPSD(周辺症状)の発症予防に努めてもらうようにしています。

ご本人・ご家族との信頼関係が診療の重要なファクター

開放感ある待合室開放感ある待合室

副院長で総合内科を担当する朝子先生は、自治医科大学を卒業後、へき地医療を経験する中で自然と認知症の診療に携わるようになりました。「へき地に限らず、高齢者の多い自治体に行けば認知症はつきものです。内科疾患を診るのと同じように、当たり前に診療してきました」と話す朝子先生は、高広先生と同じく認知症サポート医の資格も取得しています。

院内では主に内科疾患を併発している認知症の方を診療しており、朝子先生は「認知症は決して特別な病気ではありません。内科疾患の有無にかかわらず、全身を診る総合内科医として、とことんまで診ていきたいと思っています」と話し、意欲的に認知症診療に取り組んでいます。その言葉通り、認知症が進行してBPSDが強く出てもご家族や施設の職員など介護者が対応可能であれば、同院での診察を継続しています。

そんな朝子先生が重視しているのは、ご本人・ご家族との信頼関係です。

「適切な治療を行うにはご本人の来歴や性格、生活背景などを把握する必要がありますが、ご本人やご家族との間に信頼関係がなければ率直にお話してもらえません。ですから上から目線でなく、常に『支えていきますよ』というスタンスで接するよう心がけています」(朝子先生)。

スタッフ全員がホスピタリティあふれる対応を実践

看護師 金田忍さん看護師 金田忍さん

認知症の人とご家族に寄り添うことを大切にする高広先生と朝子先生の姿勢は、スタッフにも浸透しています。長年のキャリアを持つ看護師の金田忍さんは、「お二人とも、ご本人とご家族のお話をとても丁寧に聞いてくれるドクターです。医者対患者ではなく、人対人として接する様子は本当にすごいと思います」と話します。

毎朝のミーティングは朝子先生を中心に行われ、前日の振り返りとその日の流れを確認します。例えば、前日に認知症の人を怒らせてしまったときは、スタッフ全員でどうすればよいかを議論して今後の対応に生かします。朝子先生は「威圧的にならず柔らかい口調を心がけること、ご本人の顔色をよく見て怒り出しそうなら無理強いしないこと」をスタッフにも指導しており、金田さんは「検査のときも、『必要だからやらなければいけません』ではなく、『こういう検査があるのでやってみませんか』と、お誘いするようにしています」と、コミュニケーションを取る上での工夫を語ります。

「検査前に限らず、診察の順番を待つだけで不安や緊張を感じている方がほとんどです。そんなご本人・ご家族の気持ちに寄り添い、少しでも不安を取り除いていければと思っています」(金田さん)。

医療コンシェルジュがきめ細かにサポート

看護助手・医療コンシェルジュ 岡史織さん看護助手・医療コンシェルジュ 岡史織さん

同院には、クリニックには珍しい“医療コンシェルジュ”が在籍し、来院した患者さんやご家族をサポートしています。高広先生は「医療コンシェルジュが医療機関と患者さんやご家族とのかけ橋となることで、より細やかなサービスを提供していきたいと思っています」と、この職種を設けた意図を語ります。

医療コンシェルジュを務める岡史織さんは、待っている間に認知症の人が不安にならないよう、「今日は混み合っているので、呼ばれるまでに時間がかかるかもしれません」など、細かく声をかけています。

「高広先生と朝子先生をお手本に、丁寧な言葉遣いと笑顔で接するよう心がけています。『教えてくれてありがとう』と感謝の言葉をかけていただくと、うれしいですね」(岡さん)。

また、岡さんは看護助手として脳活バランサー(タッチパネル式のツール)も担当しています。検査の前には内容をわかりやすく説明し、緊張している人には「全部答えられなくても大丈夫ですよ」と励まします。中には検査の途中でご自身の過去の経験を話し出す方もいるそうですが、その場合はじっくりと話を聞き、ご本人の思いを受け止めています。

場を和ませる対応で、ご本人とご家族を笑顔に変える

事務長・エグゼクティブディレクター 佐藤祐美子さん事務長・エグゼクティブディレクター
佐藤祐美子さん

開業当初から勤務している事務長の佐藤祐美子さんは、受付や会計、診療報酬業務のほか、事務全般を管理しています。また、クリエイティブディレクターを兼任し、院内行事の企画・運営、行政や医師会など他機関との対外的な業務も任されています。「要するに何でも屋ですね」と明るく笑う佐藤さんは、「認知症の方と接するときは、さりげなく手助けしてあげる気遣いと、心からの笑顔を大切にしています」と話します。

受付では、介護疲れやストレスからご家族が認知症の人にきつい態度で接している場面に出くわすこともあります。例えば、認知症の方が保険証を出すのに手間取り、ご家族が「後ろで待っている人がいるから早くして」と大声で叱りつけてしまったときは、並んでいる他の患者さんの対応を別のスタッフに任せて、ご本人が落ち着いて探せる環境をつくります。そしてご本人の様子を見守りながら「保険証はうぐいす色のカードですよ」とヒントを出すなど、クイズのような楽しい雰囲気を演出。無事探し出せると、ご家族も一緒になって「あった、あった」と盛り上がるそうです。

「クリニックに足を運んでくださった方々に、嫌な思いはしてもらいたくないと思っています。ピリッとした雰囲気が和らいで、ご本人やご家族を笑顔にする対応ができたときは、自分でもよかったなと思います」(佐藤さん)。

地域連携と啓発活動にも積極的に取り組む

現在、高広先生は地域の認知症疾患医療センターに指定されている青森県立つくしが丘病院が主催する認知症疾患医療連絡協議会の委員を務めているほか、青森市西部地区認知症連絡会にも参加して、他の医療機関や地域包括支援センター、介護事業所といった関係機関と意見交換を行うなど、地域連携を推進しています。また、青森県の認知症初期支援チームにも立ち上げ時から参加。津軽半島から青森市に至るエリアの各自治体が編成するチームの嘱託医を務めており、チーム員会議に出席してチーム員へのコンサルテーションや、地域の医療機関との連携を担当しています。

そんな高広先生が今後の課題と考えているのは、地域住民の認知症という病気に対する理解を深めることです。

「認知症は健康な状態と地続きなのですが、“認知症は特別な人がなる、特別な病気”という意識を持つ方がまだまだ多いのが実情です。認知症への偏見や誤解を減らせるよう、正しい知識を広めていきたいですね」(高広先生)。

中野先生と皆さん中野先生と皆さん

忙しい診療の合間を縫って、市民向けの公開講座などの啓発活動にも積極的に取り組む高広先生。「皆さん幸せに、楽しく暮らしてもらいたい」と話す朝子先生や信頼できるスタッフとともに、これからも認知症の人とご家族を笑顔にする診療を続けていきます。

 

取材日:2019年1月9日

医療法人ルボアヴェール 中野脳神経外科・総合内科クリニックの外観

医療法人ルボアヴェール 中野脳神経外科・総合内科クリニック

〒038-0003
青森県青森市石江4丁目4番地3
TEL:017-788-7200

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