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地域のニーズに応え、豊富な経験を活かして専門的医療を提供
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医療法人社団藤和会 理事長 佐藤一守先生
医療法人社団藤和会 理事長
佐藤一守先生

神奈川県のほぼ中央、丹沢山地の豊かな自然に恵まれた環境にある厚木佐藤病院は、佐藤一守先生が、高齢者に良質な医療を提供するために開院しました。開院当初から認知症医療に積極的に取り組み、2017年には県からの委託を受けて認知症疾患医療センターを開設、地域の高齢者医療を支え続けています。

認知症治療病棟を備え、BPSDに対応

医療法人社団藤和会の理事長を務める精神科医の佐藤一守先生(以下、佐藤先生)が厚木佐藤病院を開院したのは1983年のことです。佐藤先生は、「あたたかい看護とやすらぎのある病院を目指して開院しました」と当時を振り返ります。介護施設の数が少ない時代でもあり、認知症の症状に悩むご家族が多かったため、認知症医療に取り組むことになるのは自然な流れでした。その後、いち早く訪問看護も開始しました。

同院では現在、184床のうち54床を認知症治療病棟としてBPSD(周辺症状)のある認知症の人を受け入れています。また、130床の一般病棟と療養病棟に入院している患者さんの約半数の方が認知症を合併しているといいます。

佐藤先生は「認知症治療病棟に入院した患者さんに内科の疾患があれば内科の医師がその治療を行い、一般病棟に入院している患者さんに認知症の症状があらわれれば精神科の医師が病棟に出向いて対応するなど、複数の科の医師が連携して治療にあたれること」と同院の特徴を話します。

ご家族からの情報を大切に、些細なエピソードから早期発見、治療介入へ

厚木佐藤病院 院長 佐藤史朋先生厚木佐藤病院 院長 佐藤史朋先生

外来では、精神科医である佐藤先生をはじめ精神・神経科の医師が主として認知症の人を診察しています。診察では、ご家族などから症状について聞き取り、必要に応じて長谷川式簡易評価スケールや時計描画テスト、頭部CT検査を行います。協力医療機関に依頼してMRIやSPECTなどの画像検査を実施することもあります。佐藤先生は、症状の聞き取りを重視しており、「病歴や経過などをしっかり把握し、ご本人を診察すれば約9割は診断がつきます」といいます。

同院の院長である佐藤史朋先生(以下、史朋先生)は、呼吸器外科の専門医でもある一方、院長就任直後から認知症医療に積極的に取り組んでおり、認知症サポート医の資格も取得しています。史朋先生は、「認知症疾患医療センターからの紹介であれば精神・神経科が対応し、以前から受診されていた患者さんに認知症の症状があらわれた場合などは私が対応しています」と役割分担について語ります。

史朋先生は、「食器がうまく使えなくなった」など些細なエピソードからも認知症を疑って検査を勧め、早期発見・早期治療を目指しています。

「食事が摂れないなど、生命活動に直結するような場合は、すぐに治療を開始します。そうでなければ状況に応じて対応しますが、ある程度進行している方が多く、すぐに投薬治療などに入ることが多いですね」(史朋先生)。

認知症があっても身体疾患の治療継続を

史朋先生は、「以前の勤務地では、認知症があるというだけで身体疾患の手術や治療の適応から外すことがありました。当院で認知症医療に取り組むなかで、その選択に疑問を持つようになりました」と語ります。認知症医療の経験を活かし、史朋先生は認知症があっても身体疾患の治療が続けられるよう尽力しています。

「術後にまず問題となるのは、せん妄やドレーンのトラブルです。私の専門である呼吸器外科の手術の場合、手術時間の短縮を図ったり、胸腔鏡手術や硬膜外麻酔などを選択して痛みを軽減したり、術後早期から投薬やリハビリを再開したりするなどの工夫で、認知症であっても合併症を起こさず早期退院できるよう努めています」(史朋先生)。

その結果、史朋先生の専門である呼吸器外科では、肺部分切除や肺がん手術のあとでも認知症ではない人と同じ日程での早期退院ができています。「高血圧などと同様に、認知症も一つの合併症として配慮をしながら身体疾患をしっかり治すことが重要です」と史朋先生は力強く語ります。

また、同院では看護師や言語聴覚士、管理栄養士で構成される摂食嚥下チームが入院患者さんのケアを行っており、史朋先生はそのメンバーとして、嚥下機能が低下している認知症の人に対応する場合もあります。食事が摂れず転院してきた人にチームで介入し、認知症治療に加えて食器や介助方法などを工夫することで、退院が実現した人もいます。

認知症疾患医療センターでは相談業務や地域連携にも注力

精神保健福祉士 藤野緑さん精神保健福祉士 藤野緑さん

同院は2017年に県の委託を受け、認知症疾患医療センターを設置しました。佐藤先生は「当院の特徴を活かして、BPSDの治療と合併症への対応を特に重視しています」と語ります。

精神保健福祉士の藤野緑さんは、認知症疾患医療センターの相談窓口として、相談業務や入院した認知症の人の退院支援などを担当しています。藤野さんは、「入院が長期化しないよう、入院時からスムーズな退院を目指して支援していきます」と話します。

「退院支援にはご家族の協力が必要です。さまざまな制度や施設があるので、ご家族に適切な情報提供をして、今後どうするかを一緒に考えていくことが退院への近道になります」(藤野さん)。

また、同センターは地域連携の要でもあり、地域包括支援センターや介護事業所、かかりつけ医などと協力して高齢者を支援しつつ、“地域と医療をつなぐ架け橋”となって地域連携を強化し、認知症への理解を深めるための勉強会も行っています。

相談の電話から受診につなげ、外来でフォローも

看護師 門谷伸子さん看護師 門谷伸子さん

同センターで相談員を務める看護師の門谷伸子さんは、以前は認知症治療病棟の師長を務めており、多くの認知症の人と接してきた経験を活かして電話窓口を担当しています。門谷さんは、「ご家族が受診を望んでいても、ご本人が受診を拒んで外来に来ることが難しい方が少なくありません」と指摘します。

「ご本人が病院に行きたがらない場合は“健康診断”をキーワードにし、最近受けていないから一度受けてみようと働きかけることを提案します。過去の経験で医療機関に抵抗があれば、安心して受診できるように、話を聞くだけですむこともあるとご説明します」(門谷さん)。

相談の電話では、ご家族の思いが強く、話の時系列が前後していることもよくあります。話をひと通り聞いてから情報を整理し、さらにケアマネジャーの考えやご家族の思いに食い違いがないか確認するなど、幅広く情報を集めてから医師と共有しています。ご本人が受診に協力的でないときは、スムーズに診察や検査が受けられるよう門谷さんが外来まで足を運んでフォローするなど、きめ細かに対応しています。

病棟では“その人らしさシート”を活用、個別リハビリも実施

作業療法士 足立香さん作業療法士 足立香さん

認知症治療病棟では、入院時に一人ひとりの“その人らしさシート”を作成しています。これは、生誕地や家族構成、職業など、認知症の人の情報をできる限り多く聞き取って、治療プランに反映できるよう記載したものです。

「“その人らしさシート”で全体像を理解し、どのような生活をすれば精神的に安定するのかなどを探って、スタッフで情報共有をします。例えば大工さんだった方は物を叩くのが好きだったりします。行動の理由を理解し、『そういうお仕事をされていたんですね』と話しかけると本人も安心したり落ち着いてきたりします」(藤野さん)。

また、同病棟では、入院患者さんを対象にしたリハビリテーションが提供されています。集団で行うリハビリテーションは毎日、個別のリハビリテーションは週3回行われます。個別リハビリテーションは、計算などの学習療法や塗り絵など、認知症の人それぞれに合わせたプログラムを実施します。リハビリテーションを担当する作業療法士の足立香さんは、「リハビリテーションの目的は、乱れている生活リズムを正すなど退院に向けた訓練ですが、スタッフと認知症の方が顔馴染みになることで情緒の安定につながることもあります」と語ります。

足立さんは、認知症の人に常に笑顔で接し、ポジティブな言葉かけをするよう心がけています。

「笑顔が認知症の人に安心感を与え、ポジティブな言葉が意欲低下を防ぐ効果があるといわれています。スタッフとの関わりを通じて、認知症の方に安心していただきたいと思っています」(足立さん)。

専門的医療を充実させ、県央地区のニーズに対応

認知症の方の退院後に、ご家族が「恩返しがしたい」と認知症治療病棟でボランティア活動を行うこともあります。同院でご本人とご家族に寄り添った医療や看護が行われている証しだといえるでしょう。

同院を運営する医療法人社団藤和会では、2012年に同院に隣接して介護老人保健施設こまちを開設し、100床のうち50床を認知症専門棟として、自宅や施設に戻る前に過ごす場を提供してきました。地域のニーズに応え続けてきた佐藤先生は、認知症疾患医療センター設置から1年を迎え、「当センターに精神科医をもう一人加えたいですね」と専門的医療の充実を視野に入れています。同院は今後も、広大な県央地区での認知症医療の中心的役割を果たしていきます。

 

取材日:2019年1月11日

医療法人社団藤和会 厚木佐藤病院の外観

医療法人社団藤和会 厚木佐藤病院

〒243-0125
神奈川県厚木市小野759
TEL:046-247-1211

施設のホームページへ

 

医療法人社団藤和会 介護老人保健施設こまちの外観

医療法人社団藤和会
介護老人保健施設こまち

〒243-0125
神奈川県厚木市小野763-1

施設のホームページへ

 

 

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