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迅速な診断と患者様主体の医療を提供する認知症医療の拠点
< 沖縄県那覇市 社会医療法人葦の会 オリブ山病院 >


<strong>〇〇〇〇先生</strong>
オリブ山病院 院長 宮城航一先生

那覇市北東部の首里地区にあるオリブ山病院は、開院から60年の歴史を持つ精神科232床、身体系病床111床を有する病院です。物忘れ外来を設置し、認知症治療病棟を備えるなど認知症医療にも積極的に取り組んできました。認知症疾患医療センターの指定を受け、沖縄南部医療圏・八重山医療圏の認知症医療の拠点として活動しています。

物忘れ外来を設置するとともに、認知症疾患の入院治療や離島診療にも対応

オリブ山病院の前身である田頭精神神経医院が開院されたのは1958年、以来、60年以上にわたって地域の人々に精神科医療を提供してきました。2016年には沖縄県から認知症疾患医療センターの指定を受けました。センター長を務める院長の宮城航一先生は、前々職の宮里病院院長時代から物忘れ外来を担当、豊富な経験を活かして認知症医療に取り組んでいます。宮城先生は「私は脳神経外科医として物忘れ外来を担当し、BPSD(行動・心理症状)がある方の相談は精神科の外来にご案内しています」と精神科と連携して認知症医療を提供していると語ります。

「当院は認知症治療病棟である“やわらぎ病棟”、身体的疾患を合併した方の治療を行う合併症治療精神科病棟、激しいBPSDの患者様には精神科急性期病棟への入院治療も行っています。精神科急性期病棟での治療で激しいBPSDが落ち着いたら“やわらぎ病棟”に移っていただきます。また身体的疾患を治療する合併症治療精神科病棟がありますので、当院はどのような認知症の方でも受け入れられる体制となっています」(宮城先生)。

また沖縄県は離島が多いため、同院では定期的に精神科離島診療を行っており、その中で認知症の方々の診療も行っています。離島診療には看護師も医師に同行し、本島での入院治療の後、島に戻ってからも継続的な治療が受けられるようになり、住み慣れた島で暮らすことが可能になったケースもみられるようになっています。

初診当日に脳MRI検査も実施、迅速な診断につながっている

宮城先生が担当する物忘れ外来は、週2日設けられています。精神科でも認知症の外来治療を行っていることから、物忘れ・認知症外来は、相談から受診まで短期間で受診することができます。初診時、認知症疾患医療センターの精神保健福祉士による問診の後、医師の診察を受け、脳MRI検査を受けていただきます。その後、簡易的な認知症検査を受け、脳MRI画像の説明を受け、症例によっては、さらに詳細な心理検査を受けていただきます。

「物忘れ外来の日はMRIもすぐ検査が受けられるように空けてありますし、約7割の方は初診のその日に診断がつきます。診断や治療までの時間が短いのも当院の特徴でしょう」(宮城先生)。

初診日に宮城先生が長谷川式簡易評価スケールなどの神経心理検査を行いますが、MCI(軽度認知障害)が疑われるケースや診断が難しいケースは、後日改めて公認心理士による詳細な心理検査を受けていただきます。その場合は受診の回数が増え、検査によっては長時間になるので、必要な検査に絞って行われることもあります。

宮城先生は、「記憶に障害があっても、目と目を合わせ、心の中に入るように接して問いかけていくと、認知症の方も心を開いて答えてくれます」と語り、認知症の方の尊厳を大切に診察しています。認知症の人の心の中にどうしたら入ることができるかを、常に模索しながら丁寧に関わっている宮城先生の患者対応に喜びを感じ、外来受診を楽しみにしている患者様もいるそうです。

認知症疾患医療センターでは月200件の相談に応じ、認知症の啓蒙活動も

看護部 精神科認定看護師 金城芳枝さん看護部 精神科認定看護師 金城芳枝さん

同院は、2016年に県から認知症疾患医療センターの指定を受けました。月200件にも上る相談件数の多さは、以前から、物忘れ外来のある病院として知られていたことが影響しているようです。精神科認定看護師である金城芳枝さんは、「地域から入院相談があったときは、認知症疾患医療センターが窓口となり、その後医師や病棟管理者を含めて受け入れの検討を行います」と語ります。

同センターでは認知症の啓蒙活動も盛んに行っています。以前から認知症治療だけでなく講演会などに力を入れてきた宮城先生は、「外来で認知症の方やご家族と接するうち、認知症の方の人権があまり大切にされていないと感じたことから、市民や介護者に対する啓蒙活動が重要だと考えるようになりました。」と、その経緯を話します。

現在は一般市民、医療従事者それぞれを対象に講演会や研究会を実施しており、毎回多くの参加者を集めています。ユマニチュードの提案者であるイヴ・ジネスト氏の講演会を開催した時には200人を超える参加者があり、地域の認知症に対する関心の高さが窺えます。

認知症の人の退院支援には、院内の多職種の連携だけでなく、地域の介護施設や福祉機関などとの連携が不可欠です。

「講演会や研修会、認知症サポーター養成講座などの開催や、地域まちづくり協議会、認知症カフェの参加などは、地域の方々との連携の場であり、情報共有の場となっています」(金城さん)。

家族会を開催し、適切な関わり方を伝える

宮城先生は同院に着任する以前から、認知症の人のご家族を対象とした家族会の開催にも注力してきました。同院でも定期的に開催し、認知症を介護するご家族(患者様は参加しない)が日々のケアについての率直な気持ちや体験を話し合い、交流や情報交換が一種のピア・カウンセリングになっています。宮城先生は、「ご家族同士が戦友のような関係になり、励ましあったり、癒されたりしていますが、会の目的はそれだけではありません」と指摘します。

「認知症は介護の大変さにフォーカスされがちですが、認知症疾患の医療やケアの中心はあくまで当事者である患者様で、私は彼らの気持ちを最も尊重するようにしています。介護家族の支援は、認知症の方を支援するためです。家族会は、適切な接し方や関わりなど、可能な限り薬物による鎮静をしないで済む方法を知っていただくことが重要だと考えています」(宮城先生)。

宮城先生は常に認知症の人を尊重していますが、ご自身の母が高齢になったときに、仕事で多忙だったため母親の気持ちに寄り添うケアができなかったという罪責感があると語ります。認知症となった方を心から介護することは大変なことですが、その方亡き後、永遠にも思えた辛かった介護の責任を果たしたご家族には、後悔の念は生じないと宮城先生は考えています。

チームで英国のアドミラル・ナースの働きで介護家族をサポートする

同院では、認知症医療に取り組む近隣の“かかりつけ医”を支援するために2017年から症例検討会を開催しています。“かかりつけ医”は適切なアドバイスを介護家族にできなかった事例を持ち寄り、身体・心理症状などの対応方法について医師、認知症疾患のケアに関わっているスタッフが意見を交換することが目的です。

「当院が主催した認知症講演会で、診療所の先生がある身体・心理症状の対応をご家族にアドバイスできなかったことを話され、その場合の対応方法を質問されたことをきっかけに症例検討会をスタートさせました。」、「全ての身体・心理症状に対するお決まりの対方法があるわけではありませんが、医療者が皆で一緒に考えていくことが大切なのです」(宮城先生)。

“かかりつけ医”の諸先生から「もっと頻回に開催して欲しい」との要望があり、宮城先生は手応えを感じています。

英国では、認知症専門看護師が“アドミラル・ナース”として認知症者の家庭を訪ね、介護者の抱えている様々な問題に助言・支援する制度がスタートしました。宮城先生は、医師が苦手とする認知症の医療以外のケアの部分を多職種チームによって、英国の“アドミラル・ナース”が果たしているような役割を提供できないかと考えていました。2019年の認知症疾患医療センターの役割の中に、多職種チームではありませんが支援専門員の枠が設けられることになったことを非常に喜んでいました。「もの忘れ外来を受診後に、認知症疾患支援員が患者本人やご家族からお話を聞き、ご自宅に伺って、その認知症者と家族に必要な支援ができるようになれば、薬物療法ではできない最も必要なことができるようになるのではないでしょうか」(宮城先生)。

 

取材日:2019年1月17日

オリブ山病院の外観

特定医療法人葦の会 オリブ山病院

〒903-0804
沖縄県那覇市首里石嶺町4丁目356
TEL:098-886-2311

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