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検査を重視し、専門医として確実な診断・治療を提供
< 福島県福島市 まつもと脳神経・内科クリニック >


院長 松本正人先生
院長 松本正人先生

福島市の閑静な住宅街にあるまつもと脳神経・内科クリニックは、2012年に脳神経外科医の松本正人先生が開業したクリニックです。脳神経外科、内科、外科、神経内科、リハビリテーション科を標榜し、地域に根差した医療を提供するとともに、認知症専門医として的確な診断・治療にまい進しています。

認知症専門医が少ない地域で役割を果たす

まつもと脳神経・内科クリニックの院長である松本先生は、長年にわたり福島県立医科大学附属病院などで脳神経外科医として最前線で活躍してきました。松本先生が認知症医療に関心を抱いたのは、同院に勤務していたときです。松本先生は、「今後は認知症が増えることから、脳神経外科も認知症医療を行う必要性があると感じました」と言います。そこで、日本認知症学会に所属し、同学会の認定を受けて認知症専門医・指導医となりました。その後、県内の病院の院長を経て、この地にまつもと脳神経・内科クリニックを開業、認知症医療に本格的に取り組み始めました。

同クリニックのある北信地区自体は、福島市内では比較的高齢化率が低い地域ですが、近隣の飯坂地区の高齢化率は36.74%と市や県の高齢化率を上回っており、そちらからの受診も多いです。高齢化が進む地域で診療にあたるうえで、松本先生は「地域に数少ない認知症専門医として、正確に診断して、治療を行うことが自分の役割だと考えています」と語ります。

大半が専門医の診断を求めて受診

同クリニックのもの忘れ外来は、診療時間内であれば特に予約は必要なく、随時診察や検査を受けることができます。現在、認知症を疑って受診する人は、年間100人を超えます。ご家族がもの忘れを気にしてご本人とともに受診することが多いそうです。

「ご家族がインターネットで調べ、認知症専門医がいることから当クリニックを受診するようです。最近はほとんどの方がクリニックのホームページをご覧になって受診しますね」(松本先生)。

松本先生は、アルツハイマー型認知症と診断したときには、認知症の人への接し方についてご家族にアドバイスするとともに、患者さんに対して投薬治療を行っていきます。さらに、要介護認定の申請をしていなければ申請を勧めるようにします。

ご家族が気がついて受診する人が多い一方、内科などのかかりつけ医からの紹介も2割程度あります。紹介のときは、認知症と診断がつき、治療である程度症状が落ち着いてから、紹介元の医師にお返ししています。

“治る認知症”の発見に画像検査を、MCIの診断にACE-Rを活用

脳の検査で活躍するオープンタイプのMRI装置脳の検査で活躍する
オープンタイプのMRI装置

同クリニックは、早期発見・早期治療のために、検査を重視しています。血液検査では、胃を切除した人などに見られるビタミンB12や葉酸の不足による貧血、あるいは甲状腺ホルモンに異常がないかなどを確認します。画像検査は、クリニックに備えられたオープンタイプのMRI装置で行い、慢性硬膜下血腫、脳梗塞、脳腫瘍、さらに正常圧水頭症などが潜んでいないかをチェックします。

「いわゆる“治る認知症”を見逃さないことが重要だと考えています。治療で治る病気であっても、放置してしまうともとの状態に戻りにくくなってしまいます」(松本先生)。

神経心理検査ではMMSE(認知機能検査)のほか、ACE-Rを取り入れています。ACE-Rは、Addenbrooke's Cognitive Examination Revisedの略で、注意・見当識、記憶、言語流暢性、言語、視空間認知を評価する神経心理検査です。総得点は100点で、89点以上であれば正常である確率が高いとされています。松本先生は、「MMSEは、高学歴の方などはMCI(軽度認知障害)であっても満点である30点を取ることがあります」と指摘します。ACE-Rは検査に約20分かかりますが、より詳しく調べることができるため、MMSEが高得点でもご家族の話などからMCIが疑われるときは、ACE-Rを追加で実施し、正確な診断につなげています。

スタッフが患者さんの様子を観察し、情報を共有

看護師 長南尚子さん看護師 長南尚子さん

看護師の長南尚子さんをはじめとしたコメディカル・スタッフは、認知症を疑って受診した人の診察前の問診を担当しています。ご本人もご家族も緊張して受診することが多いため、緊張が解けるよう笑顔で接し、できる限りコミュニケーションを取ることを意識しています。

「ご家族がもの忘れを気にして受診しても、『本人の前ではもの忘れで受診していることを言わないでほしい』と希望することも少なくありません。事前に情報を収集して、先生に伝え、診察と検査がスムーズに行われるよう配慮しています」(長南さん)。

長南さんはじめ、同クリニックのスタッフは常に患者さんの立ち居振る舞いを注意深く観察し、スタッフ間で情報を共有しています。以前の受診時よりもぼんやりしている、歩き方がおかしいなど、些細な変化でも、受付スタッフから看護師、看護師から松本先生へと伝えられます。あるとき、認知症と診断がつき、運転免許証返納を勧められていたにも関わらず、自分で車を運転して来院した人がいました。受付スタッフが駐車場を見て気がつき、速やかに松本先生に伝えて、運転免許証返納を改めて指導することにつながりました。

長南さんは、ご家族の負担軽減も意識しており、「ご家族が無理せず自宅で介護が続けられるよう、デイサービスなどの介護サービスを利用することもお勧めしています」と言います。

「介護しているご家族の負担は大きいと思いますが、認知症になっても自宅で暮らすことができるようサポートしているご家族の姿にはいつも心を打たれています」(長南さん)。

啓発活動を強化し、早期受診・早期治療を

スタッフの観察から認知症の早期発見につながるよう、松本先生は定期的に診療時間前にミニ勉強会を開き、認知症について解説しています。

「会計時にいつも一万円札を出す、毎回保険証を忘れてくるという行動があれば、認知症である可能性もあります。直接患者さんに関わるスタッフが症状の知識を持つことは、早期発見につながりますので大切です」(松本先生)。

松本先生は、クリニック外でも、医療従事者向けに研修会・講習会を実施してきました。さらに進む高齢化を見据え、今後は地域住民への啓発活動に力を入れていく予定です。市民講座を受講する人は、自分自身やご家族のもの忘れが気になる世代であるため、受講者向けに情報を発信していく考えです。

松本先生とスタッフのみなさん松本先生とスタッフのみなさん

「認知症の症状に気がついていても、ご本人が受診を拒否して困っているご家族が少なくないのではと思っています。ご家族の体調不良を理由にして、ご本人に付き添ってもらうという形で医療機関の門をくぐることも可能ですから、そういうアイデアを伝えたいですね」(松本先生)。

啓発活動に注力し、受診してきちんと検査する人を増やせば、治る認知症の発見と治療にもつながると松本先生は考えています。頼れる専門医として、松本先生はさらに地域に貢献することを目指しています。

 

取材日:2019年7月2日

まつもと脳神経・内科クリニックの外観

まつもと脳神経・内科クリニック

〒960-0112
福島県福島市南矢野目字道下35-10
TEL:024-557-1233

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