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複合施設を備え、多職種で連携しながら生活面もサポート
< 宮城県仙台市 医療法人社団静実会 ないとうクリニック複合サービスセンター >


ないとうクリニック複合サービスセンター センター長<br />
ないとうクリニック 院長 内藤久実子先生 ないとうクリニック複合サービスセンター センター長
ないとうクリニック 院長 内藤久実子先生

ないとうクリニック複合サービスセンターは、内藤久実子先生が開業したないとうクリニックを中心に、通所リハビリテーション、訪問看護ステーション、看護小規模多機能型居宅介護などを備え、医療・介護両面で地域住民を支える複合施設です。長年にわたって往診や訪問診療を行うほか、近年は在宅訪問管理栄養士による訪問栄養指導を始めるなど、地域に出向く医療・介護サービスにも注力しています。

地域のニーズに対応し複合施設を開設

内藤先生が自然豊かな仙台市太白区茂庭台にないとうクリニックを開院したのは1995年のことです。内科と小児科を標榜し、開業してまもない時期から地域住民に求められて往診を行うなど、地域のニーズに対応してきました。

開業から20年近くが経過し、受診する患者さんも高齢化するなか、内藤先生はリハビリテーションや介護サービスの必要性を感じるようになりました。そこで、通所リハビリテーション施設や居宅介護支援事業所などを併設して2014年に開設したのがないとうクリニック複合サービスセンターです。訪問看護と小規模多機能型居宅介護を組み合わせたサービスとして創設された“看護小規模多機能型居宅介護”にも、仙台市内でいち早く取り組みました。

「医療や介護で困っている方が当クリニックに来てくれれば、必要に応じてセンター内外のさまざまなサービスにつなげて、医療だけではなく、介護面でもご本人やご家族を支えることができます」(内藤先生)。

専門医と連携して認知症医療に取り組む

内藤先生が往診や訪問診療を始めたのは、通院が困難な患者さんにも医療サービスを提供するためです。現在、同クリニックでは個人宅の患者さん約90人のほか、グループホームや有料老人ホームへの訪問診療を行っています。往診や訪問診療をするなかで看取りまで行うことも増え、認知機能が低下した人を診る機会も増えました。

「2012年に認知症サポート医の研修会に参加して以来、専門医の先生方と情報交換をしたり、一緒に勉強したりする機会が増え、連携して認知症の方を診ることも増えてきました」(内藤先生)。

服薬管理ができなくなってきたり、服装に気を遣わなくなってきたりするなど、長年通院している患者さんの些細な変化に気がついて認知症を発見することもあります。内藤先生は、「例えば独居の高齢者ならご家族の連絡先を聞いておくなど、変化が現れる前からアンテナを張って情報を集めています」と言います。

認知症が疑われるときには、看護師が長谷川式簡易評価スケールを実施し、画像診断が必要なときは検査ができる医療機関に依頼していわゆる“治る”認知症が潜んでいないかを確認します。

「鑑別が難しい場合は認知症疾患医療センターに紹介し、専門医の診断を仰ぐなど、ほかの医療機関との連携のもとで認知症診療を行っています。明らかにアルツハイマー型認知症であるときは、当クリニックで投薬治療を始めます」(内藤先生)。

施設間、センターと外部を調整看護師がつなぐ

主任・調整看護師 山家真弓さん主任・調整看護師 山家真弓さん

同クリニックで看護師として認知症の人やご家族を支える山家真弓さんは“調整看護師”として業務にあたっています。認知症の人やご家族から話を聞き、同クリニックの医師とのあいだをつなぐことをはじめ、センター内のそれぞれの施設の担当者や、外部の医療機関の地域連携室、介護事業所などとも連携して“調整”を行っていきます。

「センター内や外部の多職種と連携することで、必要な医療・介護サービスが受けられるようにし、認知症の方やご家族が希望する生活ができるよう支援しています」(山家さん)。

介護保険を利用していない人には、センター内のサービスの利用を勧めてもらうよう、ケアマネジャーに依頼します。これは、介護するご家族の負担を減らすためでもあります。診察時間内にご家族が話しきれないこともあるため、同クリニックでは予約制の“相談外来”を開設し、医師が相談に乗っています。

デイケアで認知症の人の希望に添ったリハビリテーションを

通所リハビリテーションでは、作業療法士による日常生活動作の訓練のほか、理学療法士によるストレッチや筋力訓練、言語聴覚士による言語訓練などが行われています。

作業療法士 水上真理さん作業療法士 水上真理さん
理学療法士 櫻井優さん理学療法士 櫻井優さん

作業療法士の水上真理さんは、リハビリテーションの提供前に家屋調査を実施、家のなかの動線や段差、浴槽やトイレの状態を確認し、どのような生活動作の訓練が必要かを考慮してリハビリテーションプランを作成しています。

「生活の主人公である認知症の方ご本人の生活しやすさを大切にしています。認知症の方の全体像をつかみ、希望に合ったリハビリテーションメニューを提供することがご本人の満足につながると思います」(水上さん)。

理学療法士の櫻井優さんは、「認知症が軽度であれば積極的に運動療法を取り入れています」と言い、認知症の人は二つのことを同時に行うのが苦手であることを考慮し、一度に行う動きは一つに絞ったり、横で同じ動作をして真似てもらうなどの工夫をしています。

認知症の人の望みや思いに寄り添うために、新しくご利用となられる方や、認定の更新ごとに「興味・関心チェックリスト」に沿ったチェックを行い、認知機能や身体機能の評価も行って、機能の維持や変化について確認。カンファレンスを実施して多職種で共有しています。

櫻井さんは、「多職種で関わった結果、『通所リハビリテーションに通う前に比べ、笑顔が増えました』とご家族から声を掛けられるとうれしいですね」と言います。通所リハビリテーションはご家族の介護負担の軽減も目的の一つであり、回を重ねることで、ご家族の表情が明るくなっていくこともあるそうです。

食事に悩む人には訪問栄養指導で生活の継続を支援

在宅訪問管理栄養士 伊藤清世さん在宅訪問管理栄養士 伊藤清世さん

在宅訪問管理栄養士の伊藤清世さんは、患者さんの自宅を訪問し、疾患や栄養状態、生活環境に適した栄養食事支援を行っています。疾患などでこれまでのような食事が取れなくなった人やそのご家族などに対して、自宅での生活が維持できるよう食事面から支援します。

伊藤さんは、「誤嚥性肺炎などで入院すると、退院後に食事のことで困る方が少なくありません」と指摘します。適切な食事内容だけでなく、介護するご家族が男性であれば、基本的な調理方法がわからない場合もあります。伊藤さんは、自宅を訪問し、まずはご本人やご家族から話を聞き取り、どう暮らしていきたいかを確認して栄養支援の目標を立てます。台所で調理の支援も行いますが、「家庭にとって台所は見られたり入られたりしたくない“聖域”です」と伊藤さんは語り、台所への立ち入りが許されるまで、何回も訪問して話し合いを重ね、まずは信頼関係を築くことを優先し、少しずつ台所での調理支援につなげていきます。

居宅療養管理指導は、管理栄養士のいないグループホームなどでも行っています。介護保険のサービスであるため、ケアマネジャーとの連携も欠かせません。訪問看護師やヘルパーとも情報を共有しながらサポートしています。

「栄養を取ることは重要ですが、食べることはそれだけが目的ではなく、楽しみであり、心の満足につながるものでもあります。完璧な食事内容を目指すよりも、口から食べることができ、生活が継続できるための栄養状態を維持することが大切です」(伊藤さん)。

地域の介護従事者と連携し、よりよい治療・ケア提供を

同センターでは、センターのある茂庭台地区と隣の秋保地区の介護施設などに勤務する人で構成される“さくら茂秋(もあ)の会”を結成し、内藤先生が代表を務めています。同センターで定期的に全体会を開催し、講演などを盛り込んで、多職種で顔が見える関係づくりをするとともに、よりよい医療・介護を探っています。

「医療・介護に関する社会資源が豊富な地域ではありませんが、よい関係性を作って連携し、レベルアップを図ることで、よいサービスが提供できると思っています」(内藤先生)。

また、内藤先生は、地域の社会資源の情報を集約し、一つの窓口に来るだけで一人ひとりに合った医療・福祉が提供できるような部署の設置を目指しています。

内藤先生とスタッフの皆さん内藤先生とスタッフの皆さん

「認知症の方やご家族があちこちの組織に行くことになると負担が大きくなりますので、1ヵ所で済ませられれば理想的だと思います。当センターを開設して5年、まだ足りないサービスもあるので、ニーズを教えていただき、それに応えていきながら、認知症医療に貢献していきます」(内藤先生)。

 

取材日:2019年6月24日

ないとうクリニック複合サービスセンターの外観

ないとうクリニック複合サービスセンター

〒982-0252
宮城県仙台市太白区茂庭台3丁目30番30号
TEL:022-281-5490

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