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さまざまな“住まい”を用意し、医療の提供だけでなく生活も支える
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医療法人社団敬愛会 理事長</br>佐賀記念病院 内田康文先生
医療法人社団敬愛会 理事長
佐賀記念病院 内田康文先生

佐賀記念病院は、前身の内田記念病院の時代から60年以上にわたり、地域に根差した医療を提供してきました。土日や祝日も休診せずに地域の健康を守るだけでなく、同院が立地するエリアに介護付有料老人ホームや住宅型有料老人ホームなどを開設。医療だけでなく、住まいにいたるまでの幅広いサービスを提供しています。

関連施設と連携して医療、ケア、住まいを提供

同院の理事長である内田康文先生が、佐賀記念病院として2003年に前身の内田記念病院を移転開院し、高齢化が進む地域のニーズに応えて認知症医療にも取り組むようになりました。

同院は内田記念病院時代の1991年に介護老人保健施設を開設、1993年には社会福祉法人敬愛会を立ち上げ、特別養護老人ホームを開設しました。「認知症の方は精神科で治療を受けており、施設の入所者で認知症の方は非常に少ない時代でした」と内田先生は当時を振り返りますが、次第に認知症の人が増え、介護や生活支援などのサービスも必要となってきました。そのため、社会福祉法人敬愛会は、高齢者が住み慣れた地域に住み続けられるように、同院と同じエリアに介護付有料老人ホームや住宅型有料老人ホームを開設し、さまざまな形の住まいも提供してきました。介護老人保健施設の開設から30年近く経過した現在は、開設当初と違い、関連施設入所者の多くが認知症の人です。

「認知症だからといってひとくくりにすることはできず、一人ひとりに合った対応が求められています」と語る内田先生は、関連施設のスタッフを集めて認知症研究会を立ち上げました。定期的に勉強会を開催して認知症に関する知識を得るとともに、施設同士が連携する体制を作っています。

施設の訪問診療には薬剤師が同行し、薬をダブルチェック

ジンフィールド株式会社</br>社長・薬剤師 野村隆志さんジンフィールド株式会社
社長・薬剤師 野村隆志さん

内田先生は、午前中は病院の外来を担当し、午後は関連施設への訪問診療を行っています。訪問診療には、同院の隣にある佐賀北薬局などを展開するジンフィールド株式会社の社長であり薬剤師である野村隆志さんが同行します。薬剤師が同行する利点について、内田先生は「薬のダブルチェックができ、服薬時の安全性が高められることです」と言います。

野村さんは内田先生の処方をチェックし、飲み合わせや副作用なども確認したうえで、疑問があれば尋ねるようにしています。また、ポリファーマシーの解消にも取り組みます。

「ほかの医療機関で治療を受けていた入居者の方は、多くの薬を服用していることもあり、そのなかには私が知らない薬もあります。そこで野村さんに確認していただき、処方内容を適正化していきます。便秘薬の処方量が多すぎて下痢の原因になるような事態も、医師と薬剤師のダブルチェックで防ぐことができます」(内田先生)。

野村さんは、薬剤のサポートを的確に行うために、訪問診療では介護スタッフから情報を入手することを忘れません。

「認知症の方からもお話をお聞きしますが、内容のどこまでが実際のことなのか、見極めが難しいのも事実です。スタッフともしっかり連携することが、適正な処方につながっていきます」(野村さん)。

薬局が介護事業を展開し、連携して入居者を支援

ジンフィールド株式会社では、薬局事業だけでなく介護事業も展開しており、同院の徒歩圏内に住宅型有料老人ホーム、小規模多機能併設住宅型有料老人ホーム、居宅介護支援事業所を開設しています。調剤薬局から地域に出て、施設の入居者と直接関わり、在宅医療の現場で新たな役割を担うことで、「薬剤師のモチベーションも大きく上がります」と野村さんは指摘します。

同社の介護施設でも内田先生が主治医となり、発熱や怪我など認知症以外の突発的な症状があれば同院が対応するなど、入居者やスタッフが安心して過ごせる体制となっています。BPSD(周辺症状)がある場合も、内田先生と薬剤師で治療方針を決めます。調剤薬局を経営する会社が介護施設を運営しているため、薬剤師と施設の介護スタッフは同じ会社のスタッフとしてフラットな関係で連携し、密に連絡を取り合ってサービスを提供しています。

内田先生は同院を中心に、関連施設と同社の薬局や介護施設をひとつのエリアに集合させることで、医療や介護、住まいなど多様なサービスを提供し、行政が構築しようとしている“地域包括ケアシステム”を自前で整えたいという考えを持っています。

関わり方を工夫し、尊厳を重視した看護を

佐賀記念病院 看護部長 光武弘子さん佐賀記念病院 看護部長 光武弘子さん

同院に入院する患者さんには、認知症を合併している人が少なくありません。認知症の人が入院する場合、同院では地域連携室の社会福祉士、退院調整看護師、相談員と、医師や看護師、病棟のリハビリスタッフが関わり、チームで対応していきます。

看護部長である光武弘子さんは、「以前は認知症の方は認知症専門の病院で治療を行ってから当院に来ていただいていましたが、認知症の方が増えた現在は大きく変わり、高齢の方が抱える複数の疾患のひとつが認知症であると捉えるようになりました」と時代の変化を語ります。

常に認知症の人の尊厳を重視して接するよう心がけている光武さんは「病院ですから命を重視し、治療の妨げになるときは身体拘束もやむを得ないという考えもあります。しかしセンサーなども活用し、極力身体拘束はしないよう看護師が配慮しています」と話します。

佐賀記念病院 医療クラーク 下村悠夏さん佐賀記念病院 医療クラーク 下村悠夏さん

医療クラークの下村悠夏さんは、内田先生の秘書的な存在で、外来での診察時に同席したり、訪問診療に同行したりしてチーム医療の一翼を担います。下村さんは、「専門用語など医療の知識をつけるだけでなく、介護施設などにも行きますので現場の情報も把握する必要もあり、日々が学びの場ですね」と言います。毎日訪問診療を行うため、顔を合わせる認知症の人の数は少なくありません。

「丁寧な態度で接するとともに、認知症の方がご自分のお名前を言えるかどうかなど、細かい部分も観察するようにしています」(下村さん)。

よりよい医療を提供するためにもスタッフが働きやすい環境を

内田先生は、今後人口が減少するのに対し高齢者の人口は減らないことから、現在でも不足している介護の担い手がさらに減ることを案じています。「認知症の新薬ができれば介護者の負担も減らせるかもしれません。認知症の薬は増えましたが、あくまで進行を抑制するもので、根治のための新薬が期待されます」と治療薬の開発を望んでいます。

新薬の登場を願う一方で、内田先生はスタッフが働きやすい環境作りに注力しています。

「医療機関や施設で手厚い看護や介護を行うためには、働く人のケアが重要だと考えています。有給休暇もしっかり取ることができるなど、環境を整えて、あの病院で働きたい、あの施設で働きたいと選ばれる病院・施設にしたいですね」(内田先生)。

働く側にも配慮された環境で、よりよい医療サービス、介護サービスが提供され、ひいては認知症の人やご家族のためになる、好循環が生まれる組織づくりを内田先生は目指しています。

 

取材日:2019年10月31日
佐賀記念病院の外観

医療法人社団敬愛会 佐賀記念病院

〒849-0917
佐賀県佐賀市高木瀬町長瀬1240-1
TEL:0952-31-7771

施設のホームページへ

 

ジンフィールド株式会社

〒849-0917
佐賀県佐賀市高木瀬町長瀬1244-2
TEL:0952-30-6091

施設のホームページへ

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