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専門医・サポート医と、対応力光る職員が一丸となった認知症医療
<東京都西東京市 医療法人社団エキップ みわ内科クリニック>

みわ内科クリニックスタッフ

西武鉄道池袋線保谷駅から徒歩1分の場所にあるみわ内科クリニックは、神経内科医の三輪隆子先生が2007年に開院しました。高齢化が進む地域のかかりつけ医として、増加する認知症の人の診療に注力、2017年からは夫である三輪英人先生が常勤となり、神経内科専門医2人体制で認知症医療に取り組んでいます。

神経内科専門医2人体制で認知症医療を提供

医療法人社団エキップの理事長である隆子先生は、国立身体障害者リハビリテーション病院(現 国立障害者リハビリテーションセンター病院)などを経て、地域のかかりつけ医を志し同クリニックを開院しました。

みわ内科クリニックのシンボルマーク

認知症サポート医である隆子先生は、開業前からも神経内科医として長く認知症医療に携わっていましたが、「やはり地域に根差した医療に従事しているとおのずと認知症の方の受診が増え、次第に地域に医師以外の専門職の仲間ができて、さらに認知症の方と関わる機会が増えました」と語ります。

院長である英人先生がデザインしたクリニックのシンボルマークは、「身体」を診るだけでなく「気持ち」「生活環境」がよりよい医療のために必要だ、という診療方針をあらわしています。

英人先生は、日本認知症学会認定の認知症専門医であり、順天堂などの大学病院で長年パーキンソン病を中心に研究と臨床にあたってきました。英人先生は、「大学病院時代は症状を改善し地域に帰す役割でしたが、現在は地域を支える立場となりました」と前職との変化を感じています。

認知症の人を尊重し信頼関係を築く

認知症を疑って受診してこられた場合、英人先生はまず認知症ではない可能性を探ります。30~40代と若年層の人であればうつ病であったり、急激な認知機能低下は脳や内臓の病気が原因であることもあります。多種類の薬を服用していることから起こる副作用で症状があらわれる人もいます。

それらの影響ではなく、慢性的な認知機能の低下であれば、神経学的診察や神経心理検査を行い、認知症の可能性が高く画像診断が必要なときは大学病院などに紹介します。特発性正常圧水頭症などいわゆる“治る”認知症も見逃さないよう注意します。

診断がついて治療に入る際に、英人先生は、認知症の初期であり理解力がある人に対しては、ポジティブなメッセージを送るよう配慮し、現状でできることを挙げていきます。症状が進行し、受診の記憶があまり残らないであろう人に対しても、誠実な態度で向き合い、「あなたの役に立ちたいと思っていますよ」という姿勢でプラスの印象を与え、信頼関係を築いていきます。

「ご家族に対しては、ご本人が気持ちよく物忘れできるようサポートしてほしいとお話ししています。子供ではないので、しつけることはできませんし、ご家族が認知症をしっかりと受け止めて、ご本人の気持ちが損なわれないような対応をすることが治療の基本だと思っています」(英人先生)

隆子先生も「治療の主体はご本人であることを忘れないようにすることです」と、ご本人を尊重する姿勢を見せます。

「言葉があまり出なくなった方でも、大好きなプロ野球の話題を向けるとたくさん話し始めて、その様子にご家族が感激されたこともあります。短い診察時間のなかで、少しでもご本人の思いに耳を傾けたいと思っています」(隆子先生)

経験豊富なスタッフがきめ細やかな対応を

隆子先生は「看護師3人、事務5人の小さいクリニックですので、当クリニックは全員で認知症医療にあたっています」と言います。看護師や受付スタッフは認知症の早期発見にも貢献しています。

「高血圧などで通う患者さんが、受付で健康保険被保険者証を『持っていない』と言ったり、古い健康保険被保険者証を持ってきたり、支払いを済ませたのにもう一度払おうとしたりするなど、これまでと違う行動をとることがあります。受付スタッフがいち早く気づき、報告してくれます」(隆子先生)

医師には何も言わなくても、看護師には物忘れを心配していると相談する患者さんもいます。スタッフの観察力とスムーズな情報共有が早期発見・早期診断につながっていきます。

また、認知症の人の受診が増加するなか、長年勤務しているスタッフの対応力も磨かれてきました。待合室で認知症の人が順番を待てなかったり、対応に困る行動をとったりすることもありましたが、医師とスタッフで「なぜそういう行動をとるのか」と背景を探り、解決策を話し合って対応を変えてきました。

「対応が変われば相手も変わります。スタッフが認知症の方の行動を当たり前のこととして穏やかに対応するので、認知症の方もスタッフを受け入れてくださるのかもしれません。うちに来てスタッフと話すときは、自宅にいるときと違って明るい表情をしている、とご家族に言われることがよくあり、スタッフには感謝していますね」(隆子先生)

英人先生も、「認知症の方が徘徊の途中に当クリニックに寄り、スタッフと話すことで安心して帰っていくこともあるようです」と笑顔で語ります。

地域包括支援センターと連携し、認知症カフェも

同クリニックが認知症医療を提供するうえでなくてはならないのが、地域包括支援センターとの連携です。認知症の治療はご家族の対応も必要となりますが、ご家族が高齢でサポートできなかったり、子ども世代の協力が得られなかったりすることもあります。そのようなときは地域包括支援センターに相談し、状況の把握を依頼したり、場合によってはほかの機関や事業所とも連携してご本人・ご家族を支援していきます。地域包括支援センターの同クリニックへの信頼も厚く、現在、物忘れで受診する人の約半数は地域包括支援センターからの紹介です。

連携の積み重ねから生まれた活動もあります。2016年から開催している認知症カフェ「オレンジカフェ保谷駅前」です。前職で高次脳機能障害の患者さんのご家族に対し勉強会を開催していた隆子先生は、認知症の人のご家族に対しても何らかの場所をつくりたいと考えていました。

「診察時間中にご本人のお話を聞いていると、ご家族と十分に話をする時間がとれず、気になっていました。地域包括支援センターから講演会の依頼を受けた際に話を持ちかけると、センター側も同じことを考えていたため、協力し合って始めることとなりました」(隆子先生)

市内の栄町地域包括支援センター、富士町地域包括支援センターが主催し、隆子先生と行政、社会福祉協議会が協力して、月に1回、保谷駅前公民館で開催しています(取材当時は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止中)。ご家族やご本人だけでなく地域の人が参加したり、介護経験のあるボランティアスタッフから助言を得るなど、情報交換や相談の場となっています。

他専門職と力を合わせ、新しい対応方法を探る

今後も社会の高齢化が進み、高齢者の増加によって認知症の人も増えると英人先生は予想しています。そこで必要となるのが、英人先生が認知症の人のご家族に求める“気持ちよく物忘れできる”ようなサポートであり、認知症の人もそうでない人も“お互いさま”でいられる社会づくりです。

「認知症の人が特別な存在になるのではなく、認知症であっても生き生きとその人らしく生きられる、負い目を感じることなく生活できる、優しい社会になるといいですね」(英人先生)

英人先生は、「2000年に介護保険制度が始まって以来、福祉の介入が認知症の人の進行抑制に効果があったことを今回実感しています」と語り、現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のための介護サービス事業所の休業や外出自粛などが認知症の人に悪影響をもたらすことを危惧しています。認知症の進行予防には、外に出て趣味の活動をしたり人と交流することが重要なためです。

隆子先生も同じように、コロナ禍における認知症の人への対応を日々模索しています。感染予防対策で推奨される“密集しない”“触れ合わない”という取り組みは、これまでの認知症の人への対応とは正反対だからです。

「特に認知症が進行した方には、顔を近づけて、体に触れて、目を合わせてお話ししてきました。マスクを着けたら表情がわかりませんし、フェイスシールドを着けた人に近づかれるのも認知症の方は嫌がるでしょう。新型コロナはすぐに解決するわけではありませんから、この状況でできることを見つけるのが大切だと思っています」(隆子先生)

隆子先生は、西東京市で地域包括ケアシステムの構築を進める地域包括ケアシステム推進協議会の認知症支援部会の部会長を務めています。

「中断していた支援部会の会議も来月からようやく再開されます。会議でほかの専門職の方と知恵を出し合い、新しい時代の認知症の方への対応を探っていきたいですね」(隆子先生)

 

 

取材日:2020年7月16日
みわ内科クリニックの外観

みわ内科クリニック

〒202-0004
東京都西東京市下保谷4-12-2
TEL:042-438-7188

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