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豊富な経験を活かした認知症医療が地域で厚い信頼を集める
<栃木県下野市 自治医大ステーション・ブレインクリニック>

理事長 藤本健一先生 理事長 藤本健一先生

JR自治医大駅東口からすぐという好立地にある自治医大ステーション・ブレインクリニック。自治医科大学附属病院で物忘れ外来を担当してきた藤本健一先生が理事長を務める、脳神経内科専門のクリニックです。長年認知症医療に携わってきた経験を活かして、専門性の高い医療を提供しています。

自治医大附属病院で20年以上前に物忘れ外来を開設し、先駆的役割を担う

自治医大ステーション・ブレインクリニックは、脳神経内科専門のクリニックとして2014年に開院しました。パーキンソン病や脳血管障害、てんかんなどに対する最新の治療を提供するほか、認知症医療に積極的に取り組んでいます。

藤本先生が認知症に関わり始めたのは、まだ大学院生だったころのことです。藤本先生は、「認知症の治療薬できちんとした臨床試験を実施する機運が高まり、教授の指示で仕方なく臨床試験を担当することになりました」と笑います。数多くの薬の臨床試験に携わりましたが、その多くが成功しなかった時代です。

1999年に初の抗認知症薬が登場すると、自治医科大学附属病院内で物忘れ外来を開設しようという声が上がり、神経内科で立ち上げることになりました。藤本先生は、現在の同クリニック院長である池口邦彦先生とともに物忘れ外来を担当し、認知症医療を提供するうえで先駆的な役割を担うことになります。

以来、20年以上にわたって認知症医療に取り組んできた藤本先生は、周囲からの信頼が厚く、同クリニックの患者さんや自治医科大学附属病院の職員からの紹介で受診する人が多いそうです。

「調剤薬局で薦められて受診する方もいます。薬局は私たちがどのような処方をするか知っていますから、『あのクリニックなら安心して薦められる』と思ってくれているようです」

医師だけでなくスタッフも経験豊富

同クリニックに通院する認知症の人は約100人で、その半数がアルツハイマー型認知症です。次いで、レビー小体型認知症が30人程度と比較的多く、その理由としては、先生自身がパーキンソン病を数多く診てきたことや、かかりつけ医が幻覚や妄想の対応に困って紹介することが多いためではないかと藤本先生は考えています。

同クリニックは予約制で、物忘れで受診される方には、初診に30分ほど時間をかけます。神経所見を取り、MMSE(認知機能検査)やFAB(前頭葉機能検査)などの神経心理検査を行って、ご家族の話を参考にしながら、どのタイプの認知症であるか見当をつけていきます。画像検査が必要であれば、自治医科大学附属病院でSPECT(脳血流シンチグラフィー)やMRIの予約を取り、2回目の受診時に検査結果を持参してもらって診断をつけています。

藤本先生だけでなく、スタッフも多くが自治医科大学時代からの仲間であり、認知症の人への対応に慣れているのも同クリニックの特徴です。

認知症のご本人には、にこやかに接するようご家族へ助言

藤本先生は、認知症と診断をつけたら、ご家族には「老廃物が細胞内にたまって起こるもので、たまるスピードが速ければ病気と言われるだけ。長生きすれば誰でもなる病気ですよ、とお伝えします」と言います。認知症自体は決して悪い病気ではなく、周囲の対応が適切であれば幸せに暮らせる、というのが藤本先生の考えです。

周囲の対応を重要視する藤本先生がご家族に伝えるのは、まず物忘れを責めないこと、レビー小体型認知症の方であれば幻覚を否定しないこと、例えば物がなくなったという訴えがあったら一緒に探すように、認知症の人の立場に立って対応することです。なぜそのような言動になるのかを理解できると、ご家族の対応も変わる、と藤本先生は言います。

「ご家族にとって“正しい”ことが、正しいとは限りません。認知症の方の主張を“正しい”と捉えることが大切です。私はよくご家族の方に、『役者になってください』と言います。認知症の方の発言に合わせて、役者のように演技をして、にこやかに対応すると、ご本人も変わることが多いですよ」

対応するのがご本人の子どもであれば、認知症を受け入れ、適切な対応をしやすいですが、配偶者の場合は自身も高齢になっていて、対応が難しいこともあります。そのようなとき、藤本先生は、ご本人とご家族が離れる時間をつくれるよう、デイサービスやショートステイなどの介護サービスの利用を勧めています。

警察官やタクシー運転手にも認知症への理解を望む

認知症の人は今後増加するとみられることから、藤本先生は、「社会全体が認知症と生きることになりますから、どうすればいいかを考えなければなりません」と指摘します。誰もが認知症について理解し、自分もいずれなる可能性があると考え、認知症の人に温かく接する社会が必要です。

藤本先生は、認知症の人の行動が地域でトラブルとなることがあるため、警察官に対し認知症に対する理解を求めています。

「いつも同じ時間に、同じ公園の女子トイレにこもる前頭側頭型認知症の男性がいまして、ただこもるだけで何かをするわけではないのですが、通報があれば警察は出動せざるを得ません。しかし、認知症の方に正論を説いても理解を得るのは難しいですから、警察官にも適切な対応について知っていただきたいですね」

認知症の人を社会で支えるためには、タクシー運転手や公共交通機関の職員、コンビニエンスストア(以下、コンビニ)の店員なども認知症に対する理解が必要である、と藤本先生は考えています。散歩中に自分の家がわからなくなっても、利用したタクシーや駅などでそのようなときの対応方法を知っている人がいれば、保護につなげることもできます。

「夜間に認知症の方が迷子になると、コンビニのように明るい場所へ行くことが多いのです。下野市では、コンビニの店員を対象にした認知症に関する講習会を開催しています」

行政とも連携し、認知症の人のために尽力

同クリニックでは比較的早期の段階で受診する人が多く、早期治療につながっていますが、地域によってはかなり進行してから受診する人もいる、と藤本先生は指摘します。

「都会のほうが、受診は早い傾向があります。田舎では、ご家族と暮らしていても、母屋と離れに分かれて住んでいて、ご家族がまったく気がつかずトイレにも行けないくらいに進行してから受診となる人もいます。田舎では社会と関わらずに生活できてしまうから、地域でのトラブルも起きず、発見が遅くなってしまうのではないでしょうか」

早期に診断するためには早期の受診が必要であるため、藤本先生は機会があるたびに、高齢の方の変化を見逃さず早期に受診するよう市民に呼びかけています。

下野市の認知症対策会議のアドバイザーとして、認知症の人への対応について助言を行ったり、地域包括支援センターと連携して認知症の人が関わったトラブルにも対処している藤本先生。日常診療以外の場でも認知症の人のために尽力し、認知症の人が暮らしやすい社会づくりに貢献しています。

 

 

取材日:2020年8月4日
自治医大ステーション・ブレインクリニックの外観

自治医大ステーション・ブレインクリニック

〒329-0403
栃木県下野市医大前3-2-2
TEL:0285-37-8721

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