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地域のニーズに応え、認知症の人が安心して暮らせるように支援
<埼玉県さいたま市 医療法人まつもと内科・神経内科クリニック>

理事長・院長 松本容秋先生 理事長・院長 松本容秋先生

まつもと内科・神経内科クリニックは、院長である松本容秋先生が、地域に根差した医療を提供するためにさいたま市の南区に開院しました。南区自体は市内の他の区に比べ高齢化率が低いものの、昔からある住宅街では高齢化が進んでいることから、開院当初から物忘れ外来を開設し、訪問診療も行うなど地域のニーズに応えた医療を行っています。

通院がむずかしい患者さんのために在宅医療を

まつもと内科・神経内科クリニックは、JRの埼京線と武蔵野線が乗り入れる武蔵浦和駅から徒歩4分という便利な場所で、さまざまな診療科のクリニックが集まった医療モール「武蔵浦和メディカルセンター」の中にあります。

院長である松本先生は、東京医科歯科大学附属病院で臨床と研究を重ね、1993年に浦和市(現・さいたま市南区)の秋葉病院に神経内科部長として赴任しました。その後、2001年から医療法人明医研がさいたま市内で運営するデュエット内科クリニックの院長、ハーモニークリニックの副院長を兼任しました。両クリニックでは訪問看護ステーションを併設し、通院が困難な患者さんの自宅に赴いて医療を提供する“在宅医療”に従事し、患者さんが慣れ親しんだ自宅で安心して暮らせるよう支援を行ってきました。

10年以上、旧浦和市域で医療に取り組んできたことから、松本先生は地域の患者さんによりいっそう貢献するため、2006年に、まつもと内科・神経内科クリニックを開院しました。内科では、地域のかかりつけ医として、風邪から内科全般を広く診療しており、神経内科では、パーキンソン病をはじめとした神経難病外来、物忘れ外来、認知症外来、頭痛外来などを開設し、専門的な医療を提供しています。松本先生は、「神経内科を標榜するからには認知症医療を行わなければと思い、周辺の医療機関にはなかった“物忘れ外来”を開設し、多くの認知症の方を診てきました」と語ります。また、在宅医療を必要とする人が多いと実感していたため、開院時から訪問診療も行ってきました。

ご家族の希望を尊重し、ご本人には告知しないことも

物忘れ外来には、ご家族に連れられて受診する方が多いといいます。認知症を疑う方の受診であれば、診察に1時間程度必要となることから予約制となっています。

診察前には、問診票に、家族構成や高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の既往歴、物忘れ以外の症状などについて記入していただき、診察の際にさらに詳しく問診していきます。診断するにあたり、40分から50分かけて、改訂長谷川式簡易知能評価スケール、時計描画テスト(CDT)、立方体模写、ADAS-Jcog.(アルツハイマー病評価尺度)の4種類の検査を実施しています。

画像検査は、秋葉病院、三愛病院など近隣の病院に予約を取り、脳のMRI検査を行うとともに、MRI画像を使いVSRADというプログラムで海馬の萎縮状態を評価します。ご家族からの情報や検査結果などから判断し、初診から1~2週間で診断がつきます。

認知症と診断がついた際に、松本先生はご家族には病名を告げますが、「ご本人に対しては、ご家族の意向を尊重します」と言います。

「ご本人には言わないでほしいとご家族が望まれることもあり、そのようなときは認知症という言葉を使わず、『少し物忘れがあるようですので、進行しないよう治療を始めましょうか』と柔らかい表現で説明しています」

神経心理検査支援システムで確実な診断と経過観察

神経心理検査支援システム 神経心理検査支援システム

同クリニックでは、認知症の診断と経過観察に有用なタッチパネル式の神経心理検査支援システムを利用しています。2013年からADAS-Jcog.の実施をサポートするシステムを導入しています。ADAS-Jcog.は、認知機能の変化を評価する国際的に広く用いられている検査ですが、実施には専門的な知識や訓練が必要です。タブレットで支援システムを起動し、ナビゲーションに沿って必要な情報を入力すれば、自動集計され、分析結果が表示されます。定期的に検査を実施することで、認知機能の変化がグラフで表示されるため、認知機能の状態を客観的に把握でき、ご家族にも薬物療法の効果などをわかりやすく説明することができます。また、このシステムでは、ADAS-Jcog.以外に、長谷川式簡易評価スケールなどの検査にも対応しており、認知症の診断にも活用しているそうです。

ご家族の負担を軽減するため社会資源の利用を助言

松本先生がまとめた10か条 松本先生がまとめた10か条

松本先生は、ご本人とご家族に、生活上の注意点をまとめた「呆けない為の10か条」を渡してアドバイスしています。10か条では、常に脳に新鮮な刺激を与えるため、“気を若く、いろいろなことに関心を持つ”、他人との良好なコミュニケーションを保つため、“いつも穏やかな気配りをする”、生活に張り合いを持ち、手足をよく動かすために“できるだけ趣味を持つ”といったことが書かれており、社会参加により脳と心を活性化させることを勧めています。

また、生活習慣病が認知症の進行にも影響することから、“塩分を取り過ぎない”“動物性脂肪を取り過ぎない”“血圧のコントロールに気をつける”といった、高血圧や脂血異常症、脳卒中などの生活習慣病への注意を喚起します。

ご家族の対応も重要であることから、それぞれの症状への対応の方法については、パンフレットを渡し、情報提供を行っています。

「認知症医療では、ご家族が自分たちだけで抱え込まないようにすることも大切です。介護保険制度を利用していない方には、制度の内容と要介護認定の申請手続きについてご説明し、介護サービスを利用するよう勧めています」

生活習慣病の予防・治療も重視し認知症の予防を目指す

松本先生は「患者さんに受診していただかないと早期発見・早期診断につながりませんから、ご家族が変化に気がついたら早めに相談していただきたいですね」と穏やかにほほ笑みます。同クリニックは内科も標榜し、地域に密着したかかりつけ医としても診療にあたっており、生活習慣病の治療を通して認知症の予防も目指しています。

「糖尿病など生活習慣病は認知症になるリスクを高めますから、認知症の方やご家族にも生活習慣病の予防について説明しています。また、生活習慣病の治療も認知症の予防としても非常に重要ですね。特に中年期に生活習慣病の治療を始めることが大切だと考えています」。

松本先生のクリニックでは、水曜日と金曜日の午前、木曜日の午後に、同クリニックがある南区、隣の浦和区、桜区といった周辺地域で訪問診療を行っています。老人ホームやグループホームなど施設の入所者を含めると、訪問診療を行っている患者さんの数は60人を超え、そのなかには認知症の人もいます。

「病気のために通院がむずかしい方、自宅での療養を希望される方は非常に多いと感じています。85歳以上の4分の1は認知症になるといわれますから、今後、訪問診療を必要とする認知症の方も増えるでしょう。マンパワーが課題となりますが、認知症の方の訪問診療を増やしていきたいですね」

地域のニーズに応えながら認知症の専門医療を提供し、地域住民に貢献し続けてきた同クリニック。松本先生は高齢化が進む地域へのさらなる貢献を目指しています。

 

 

取材日:2020年9月10日
まつもと内科・神経内科クリニックの外観

まつもと内科・神経内科クリニック

〒336-0021
埼玉県さいたま市南区別所7-2-1
TEL:048-844-8377

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