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在宅医療にも注力し、きめ細やかな医療・ケアを提供
<埼玉県さいたま市 小野田クリニック>

院長 小野田敦浩先生 院長 小野田敦浩先生

2011年に神経内科医の小野田敦浩先生が開院した小野田クリニック。住宅街の中にありながら、第二産業道路沿いの交通至便な場所にあり、気軽に通える環境と確かな医療技術、親しみやすい小野田先生の人柄で、地域住民の信頼を集めています。

かかりつけ医として認知症の人を受け入れる

小野田クリニックは、さいたま市10区の中で最も高齢者数が多い(2017年10月1日時点)見沼区にあります。院長の小野田先生は、埼玉医科大学大学院を修了後、埼玉医科大学神経内科に入局、その後、さいたま市内にある埼玉精神神経センター神経内科などを経て実績を積んできました。埼玉精神神経センターは認知症医療に積極的に取り組んでおり、神経内科に専門外来を設け、多くの認知症の人が受診していました。小野田先生も、専門外来は担当しなかったものの、同センターで認知症医療に携わっていました。

地元にクリニックを開業したのは、地域のかかりつけ医となり、認知症診療にさらに深く関わりたかったためです。小野田先生は、「認知症を診る医療機関が少ない地域だったため、自らが受け皿になりたいと考えた」と言います。

内科のクリニックとして生活習慣病などの診療にあたるとともに、認知症サポート医として認知症医療にも熱心に取り組んでおり、かかりつけ医からの紹介も受け入れています。

認知症以外の可能性も考慮して診察

もの忘れを気にして受診した人であっても、小野田先生は最初から認知症を疑うのではなく、甲状腺機能低下症やビタミン欠乏症の可能性も考慮して血液検査を行うとともに、神経心理検査を行い、必要であれば連携している医療機関で画像検査を行います。

認知症の診断がついたら、まずは告知をするかどうかご家族の意向を確認し、その後、ご本人の性格も考えながら、人によっては「ちょっともの忘れがあるようですよ」と遠回しな表現で伝えます。治療についてもご本人・ご家族と相談のうえで行うかを決めていきます。

「『このまま様子を見てもいいですが、進行する可能性もあるので、お薬で進行を抑えるのはどうですか?』とお話しして治療することもありますが、ご本人の年齢や状態によってお薬は必要ないと判断して、環境の整備を行うなど他の支援を考え、すぐには薬物治療を開始しないこともあり、ケースバイケースですね」

神経心理検査は看護師が担当しています。小野田先生は、「医師が行うよりも緊張せずに受けられる点でご本人にとって利点がありますし、看護師の経験から患者さんへの対応は慣れていますから安心して任せています」と信頼を寄せています。

家族はがんばらないことが重要

日々接しているご家族は、認知症の人が事実と異なることを言ったり、同じ話を繰り返したりすると、否定的な態度になることも少なくありません。それに対し認知症の人が反発して悪循環に陥ることもあるため、小野田先生はご家族に「病気がさせていることなんです」と説明し、否定せずに受け入れるようアドバイスしています。

認知症の人を介護するには、ご家族の負担を減らすことも重要です。介護保険を利用していなければ、申請してサービスを利用するよう勧めます。

「ご家族だけで抱えるのは無理ですから、『がんばらないことも一つの治療なんですよ』と伝え、デイサービスなどで第三者にも担ってもらうほうがいいことを理解していただいています」

薬による治療と介護保険のサービスの利用で認知症の人の症状が落ち着き、ご家族の表情が明るく変化することもあるそうです。小野田先生は、「ご家族に喜んでいただけるのは何よりうれしいですね」とほほ笑みます。

入室時の様子から受診者の変化を注意深く観察

開設して9年が経過し、内科の疾患で通院していた受診者の認知機能が高齢化に伴って低下することも増えてきました。小野田先生は、診察時に患者さんの様子を注意深く観察しています。

「診察室への入室時に引き戸をスムーズに開けて入れるかどうかというところから観察しています。同じことを何度も話したり、身なりがこれまでと違ってきたりすると、認知機能が低下しているかもしれないと思い、意識して話を聞くように心がけています」

受付での言動から、事務スタッフが患者さんの変化に気がつくこともあります。計算が難しくなって小銭を使わずにいつも大きいお札だけで払おうとしたり、探し物をして見つけられなかったりしている人がいると、小野田先生に情報が共有され、次の診察で詳しく話を聞くようにしているそうです。

往診や訪問診療では診察室で得られない情報も入手

高齢化が進む近年は、加齢などで医療機関に通院できなくなった人が、住み慣れた自宅で医療を受けられる「在宅医療」のニーズが高まってきています。同クリニックでは、開設当初から在宅医療を掲げ、外来以外に往診や訪問診療も行っています。

小野田先生は、埼玉精神神経センター勤務時代に先輩や同僚が開業後に在宅医療に取り組む姿を見て、在宅医療に関心を抱いてきました。「この地域に在宅医療を行っている医療機関が少なかったこともあり、通院できなくても自宅での療養を望んでいる方々に少しでも医療を提供したいと考えました」と、小野田先生は開業当時を振り返ります。

自宅を訪問することで、診察室では把握できない普段の生活の様子がわかり、認知症の症状が予想より進行していることに気がつくこともあるそうです。

「診察室ではスムーズに会話できる人や、身なりがきっちりとしている人でも、ご自宅では家事が難しくなっていて、家の中がとても散らかっている場合もあります。一人暮らしであればホームヘルパーに入ってもらったり、デイサービスに通ってもらい規則正しい生活ができるようにしたり、環境を整えたりすることができます」

自宅を訪問することで環境調整などを行い、よりきめ細やかなサポートにつなげることができるため、治療そのものを変えなくても、進行の抑制につなげることもできると小野田先生は考えています。

「家の中の様子から、ご家族が困っていることや負担の大きさも把握しやすくなります。ご家族の負担を減らす手助けができるのも在宅医療のよいところだと思っています」

認知症の人が困らずに生活できる期間の延伸を目指す

同クリニックのあるさいたま市では、認知症の早期発見・早期診断のため、65歳以上で奇数の年齢になった人を対象に、「もの忘れ検診」事業を行っています。「もの忘れ相談医」がいる検診実施医療機関であれば、認知症簡易スクリーニング検査が無料で受けられ、認知機能低下があったときは専門医療機関を紹介されて鑑別診断を受けます。小野田先生ももの忘れ相談医となり、同クリニックでは市から検診実施医療機関の指定を受け、早期発見・早期診断に尽力しています。

現在、小野田先生が課題と感じているのが、一人暮らしの認知症の人の支援です。受診に付き添ったり、服薬を管理したりするご家族がいなければ、認知症の人の生活環境を整えることは容易ではありません。一人暮らしの方に薬を処方しても適切に服薬できておらず、しばらくたって来院したときには症状が進行していたということもありました。昔ながらのご近所付き合いが比較的残っている地域のため、ご近所の方が診察に付き添ってくれることもありますが、高齢者単身世帯の増加を小野田先生は肌で感じ、支援の方法を模索しています。

認知症治療は「認知症の方が困ることなく生活できる期間を延ばすのが目標です」と小野田先生は言います。地域に根差して、ご本人・ご家族のサポートに心を砕く小野田先生の貢献はこれからも続いていきます。

 

 

取材日:2020年12月21日
小野田クリニックの外観

小野田クリニック

〒337-0053
埼玉県さいたま市見沼区大和田町1-937-1
TEL:048-812-7071

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